2ndPASSとcanameの資本業務提携がもたらす新たな未来
2025年5月1日、フィットネス人材領域で多くの卒業生を輩出してきた
2ndPASS株式会社と、全国店舗数No.1のパーソナルジムを運営する
caname株式会社が資本業務提携を結びました。この提携により、両社はフィットネス業界全体を再形成する新たな一歩を踏み出します。
フィットネス業界の現状と課題
新型コロナウイルスの影響などを経て、フィットネス市場は急激に成長しています。2021年度には5,248億円だった市場規模が、2024年度には7,100億円を超える見込みです。背景には、高齢化社会の進行や健康寿命への関心の高まりがあります。しかし、その一方でフィットネス業界には深刻な課題もあります。
人材不足と高離職率
パーソナルジム業界では人材不足が常態化しており、新規求人に対する充足が難しい状況です。また、フィットネス業界における離職率は20.8%と高水準に達しています。さらに、トレーニングによる事故も多発し、消費者からの相談が急増しています。
これらの課題は、質の高いパーソナルトレーナーが社会に必要とされる中で、特に深刻な問題となっています。2ndPASSはこれまで、実践的なカリキュラムを通じて95%の就職成功率を達成してきましたが、更なる規模拡大には現場データと資本力が不可欠でした。
資本業務提携のメリット
今回の提携により、2ndPASSは独立性を保持しつつ、canameの資本力と全国的なネットワークを活用します。これにより、教育カリキュラムの質の向上や、安全基準の策定に向けた取り組みが加速します。
教育と現場データの連携
提携後の主な取り組みには、300店舗からのリアルタイムなセッションデータを教育に反映させることが含まれています。これにより、トレーナー候補者は現場での実践的な指導力を高めることができます。
離職率の可視化と定着ノウハウの共有
また、経験豊富なトレーナーや卒業生によるデータベースの拡充を行い、業界全体の雇用戦略の高度化を支援します。離職率や安全指標を可視化し、共有することで、トレーナーが安心して働ける環境を整えることを目指します。
エコシステムの構築
ジムや大学、資格団体とも連携し、共創を促進することで、業界のエコシステムを強化します。これにより、トレーナーのキャリア向上と持続可能な成長を実現します。
両社のコメント
この提携に対し、canameの代表伊藤健一郎は「2ndPASSの中立性を維持しながら、フィットネス業界に大きく貢献していくことを目指しています」とコメント。また、2ndPASSの代表秋野大知も「現場データと長期的な投資が今後の成功に不可欠だ」と述べています。
未来への展望
両社は、フィットネス業界において質の高いトレーナーが長く働くことのできる環境を整え、持続可能な成長を実現することを目指します。さらに、将来的には人材教育の枠を超えたプラットフォーム構築も視野に入れています。これにより、新たなビジネスモデルが誕生する可能性も秘めています。
関連リンク:
2ndPASS公式サイト
この提携は、フィットネス業界全体の未来を見据えた重要なステップといえるでしょう。今後の進展に期待が高まります。