青森県の伝統的な祭り「ねぶた祭」が、今夏、革新的な取り組みを通じてデジタルとリアルの融合を目指します。日立ソリューションズ東日本とぷらっとホームの協力により、2025年7月23日より「ねぶた祭DAO」プロジェクトの実証実験が始まります。このプロジェクトでは、Web3技術を活かして地域活性化の新たなモデルを創出するとともに、参加者同士の交流の幅を広げることを目的としています。
実証実験の概要
実証実験は、2025年8月2日から8月7日までの5日間、青森ねぶた祭の開催期間中に実施されます。この期間中、参加者はスマートフォンを使ってデジタル空間上でお祭りに参加することができます。具体的な仕組みには、参加証のNFT発行、投稿した写真に基づくNFTの発行、SNSでの評価を活用した報酬制度が含まれています。
参加証のNFT発行
来場者は会場で設置されたQRコードを読み取ることで、ブロックチェーン上にデジタル参加証が発行されます。この参加証は「ねぶた祭DAOアプリ」に登録され、参加者が自らの思い出をデジタル資産として保持することができる仕組みです。
写真のNFT化と共有
参加者が撮影した祭りの写真はアプリに投稿することで自動的にNFT化されます。NFTとして発行された写真は、参加者のアカウントに紐づけられ、投稿内容は特定のInstagramアカウントを通じて世界中にシェアされます。これにより、ねぶた祭の魅力がより広く伝わることが期待されています。
SNS評価とNFT報酬
投稿された写真には「いいね!」の数を評価基準として利用し、その評価に応じて「写真NFT」にも報酬が付与されます。これによって、投稿者は自分の写真がどれだけ評価されたかをデジタルで確認できるシステムが構築されています。
Web3技術の利点
この取り組みの最大の特徴は、参加者が自身のデジタル資産を所有し、コミュニティに参画できる点にあります。将来的には、参加証NFTを持つユーザーに対して、デジタルコミュニティでの提案や投票の機能も考えられています。また、祭り体験をトークン化することで、経済的な意味を持たせることにも挑戦しています。
地域活性化の期待
本実証実験を通じて、祭り参加者のエンゲージメントの向上や新規ファン層の増加、デジタル資産を通じた地域経済への還元が期待されます。発行されるNFTの数やSNSでの反応を分析し、青森ねぶた祭への本格導入や他のイベントへの展開に繋げる知見が得られる見込みです。
今後の展開
「ねぶた祭DAO」プロジェクトを契機に、日立ソリューションズ東日本とぷらっとホームは、地域社会のデジタル活性化に向けた取り組みを継続していきます。現実世界の資産をToken化することで、地域の課題に対する新たな解決策を模索し続ける姿勢が期待されています。地域資源と先端ITの融合が、いかにして地方創生に寄与するのか、今後の動向から目が離せません。これまでの祭りの経験と現代の技術が交わることで、青森の文化が新たなステージへと進化していくことでしょう。