Tesla製蓄電池を用いた新しい電力サービスの始まり
近年、世界的に注目されているカーボンニュートラルの実現に向けて、再生可能エネルギー(以下「再エネ」)の導入が進んでいます。このような中で、芙蓉総合リース株式会社(以下「芙蓉リース」)と株式会社グローバルエンジニアリング(以下「GL社」)は、Teslaが製造した蓄電池「Powerwall」を使用した「DERアグリゲーションサービス」(以下「本事業」)を発表しました。この取り組みは、より持続可能な未来の実現に向けた重要な一歩と言えるでしょう。
本事業の背景
2050年にはカーボンニュートラルを実現することが求められており、再エネの導入が増加しています。しかし、再エネ電源は天候やその日の時間帯によって出力が大きく変動する特性があり、この変動に対処するための需給調整機能の必要性が増しています。そこで、蓄電池が持つ安定した電力供給の役割がますます重要視されています。
芙蓉リースとGL社は、再エネの充実した普及を図るべく、本事業を通じて電力ネットワークの安定化に貢献することを目指しています。これにより、再エネ電力のさらなる拡大へつなげることができるとしています。
サービスの詳細
本事業は、GL社が電力供給を行う顧客を対象に、芙蓉リースとGL社が連携してTesla製の蓄電池「Powerwall」を無償で設置します。GL社は、この蓄電池のサービス提供及び運用を担当します。
運用の流れとしては、主に昼間に蓄電池に充電を実施し、夕方の電気料金が高くなる時間帯で蓄電池から電力を放出する仕組みになります。これにより、お客様は初期投資やメンテナンスの心配をすることなく、経済的なメリットを享受しつつ、災害が発生した際には蓄電池に充電された電力を活用できるため、エネルギーのレジリエンス向上にも寄与します。
さらに、最適な運用コントロールを一元化し、VPP(Virtual Power Plant)を構築することによって、地域に分散するエネルギーリソース(DER:Distributed Energy Resources)の効果的な利用を目指しています。
芙蓉リースグループの理念
芙蓉リースグループは、中期経営計画「Fuyo Shared Value 2026」において、CSV(Creating Shared Value:共有価値の創造)の実践を通じ、社会課題の解決と経済価値の同時実現を目指しています。この中で「エネルギー環境」は成長の柱の一つとして位置づけられ、再エネ事業の拡大が図られています。
今後も、蓄電池事業に積極的に取り組むことで、再エネの普及や脱炭素社会の実現に寄与していく考えです。
結論
Tesla製蓄電池を活用したDERアグリゲーションサービスは、経済的なメリットとともに災害時の電力供給の確保に大きな役割を果たすことが期待されています。これにより、持続可能なエネルギー社会の構築へ向けた一歩を踏み出すことができるでしょう。今後の展開に注目です。