中村正義生誕100年特別展の開催
奈良県立美術館では、2023年5月31日(土)から日本画の革新を志した画家、中村正義の特別展「生誕100年 中村正義-その熱と渦-」が開催される。この展覧会は中村正義の生涯とその作品を通じて、戦後の日本美術界に与えた影響を再評価する機会となる。
中村正義の生涯とその影響
中村正義(1924-1977)は、愛知県豊橋市に生まれ、1946年に中村岳陵の教えを受けることで日本画の世界に足を踏み入れた。日展の有望な画家として期待されていたが、1961年に日展を脱退し、国内外のさまざまな表現者との交流を深めながら、前衛的な画風を展開した。
「日本画の風雲児」「反骨の画家」と称された彼は、美術グループ「人人会」の創立や「日本画研究会」の設立など多方面にわたる活動を通じて、美術界の権威に抗う姿勢を貫いた。彼の作品は、時代の波に揺れ動く日本画の在り方を問い直し、幅広いアートジャンルとの関わりを持ちながら発展していった。
特別展の見どころ
本展では中村の代表作だけでなく、映画や舞台美術、住宅デザインに関するさまざまな試みも取り上げられる。他の作品との関連性を示すことで、彼の多彩な活動の背景とその影響力を紹介する。また、一部展示替えも行われ、会期中に訪れることで異なる印象を受けることができる。
展覧会概要
- - 会場: 奈良県立美術館
- - 会期: 5月31日(土)から7月6日(日)
- 前期: 5月31日(土)~6月15日(日)
- 後期: 6月17日(火)~7月6日(日)
- - 開館時間: 9:00~17:00(入場は16:30まで)
- - 休館日: 月曜日
- - 観覧料: 一般1200円、大学生1000円、小・中・高生及び18歳未満は無料(団体割引あり)
充実した関連イベント
本展では、特別対談や美術講座、対話型鑑賞ワークショップなど多彩なイベントも用意されている。特に、中村正義の美術館館長や彫刻家が語る記念対談は、彼のメッセージを深く知る絶好の機会だ。
- - 開催記念特別対談: 中村倫子(中村正義の美術館館長)と籔内佐斗司(彫刻家)による対談
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日時: 5月31日(土)14:00~15:30
- - 美術講座: 深谷聡(当館学芸員)による美術の魅力を語る
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日時: 6月15日(日)14:00~15:30
- - ハローミュージアム: 未就学児とその家族向けの美術鑑賞会も開催予定
まとめ
中村正義の生誕100年を記念する本展は、その独自の視点から生まれた作品がどのように日本美術に革新をもたらしたかを振り返る機会となる。日本画を愛する人々や美術に興味がある人々にとって、見逃せない展覧会になること間違いなしだ。詳しくは奈良県立美術館の公式サイトで確認し、ぜひ足を運んでみてほしい。