女性研究者支援GAPファンドの設立
神奈川県横浜市に本社を置く株式会社tayoが運営する「WISER (Women In Science Excellence and Revolution)」は、若手女性研究者を対象とした起業支援プログラムです。このたび、首都圏の大学におけるスタートアップエコシステムの発展に寄与するため、総額3,000万円のGAPファンドが設立され、2023年6月2日から応募が開始されました。
ファンド設立の背景
日本のディープテックスタートアップにおける女性の参画率が非常に低いことが問題視されています。2022年に行われた調査によれば、日本のディープテックスタートアップ創業者に占める女性の割合はわずか5.9%で、これは13カ国中最も低い数字となっています。また、資金調達や企業の上場が進むにつれて、女性の比率が減少する傾向が指摘されています。これを受けて、GAPファンドでは女性のアイデア実現を支援し、事業化への道を開くことを目的としています。
具体的な支援内容
GAPファンドの応募は、事業の強みが研究開発にあることを基本条件としており、対象は40歳未満の若手女性研究者です。GTIE加盟の大学以外からの応募も歓迎されており、最大500万円の資金提供が行われるほか、オンラインでのハンズオン支援やメンタリングも実施されます。採択件数は最大10件とされており、このプロジェクトを通じて多様性豊かなイノベーション創出が目指されています。
運営体制と意義
WISERプログラムは、株式会社tayoの運営の下、GTIEが広報や審査協力を行っています。東京都の「TOKYO SUTEAM」のスポンサードも受けている本プログラムでは、熱意や他者を巻き込む力を持つ研究者を対象にしており、アイデア段階の方でも支援の対象となります。
WISER執行役員のコメント
tayoの執行役員でありWISER統括の土井ゆりか氏は、「日本のディープテックスタートアップの女性割合は他国に比べて低く、特に日本において顕著です。2024年の調査では女性の新規開業者割合が過去最高の25.5%に達しましたが、ディープテックに関しては依然として少ない状況です。WISERでは女性研究者の研究成果を社会実装するためのアイデアや熱意を支援することに尽力しています」と述べています。
この取り組みが実を結ぶことで、ディープテック分野におけるジェンダーギャップ解消や、女性研究者のentrepreneurial spiritが育まれることが期待されます。新しいアイデアを持つ若手女性研究者が、自らのビジョンを実現できる場を提供することこそが、このファンドの最大の目標です。
詳細な応募方法については、
こちらをご覧ください。