資生堂クリエイティブ、iFデザインアワード2025での受賞を祝う
資生堂クリエイティブ株式会社が、世界的に権威のあるデザイン賞「iFデザインアワード2025」で、2つの作品が入賞したことを発表しました。このアワードはドイツのiF International Forum Designが主催しており、2025年度には66カ国から約11,000点の応募がありました。
ウィンドウディスプレイ「在る美」
資生堂クリエイティブが手掛けた「在る美」は、資生堂銀座ビルのウィンドウディスプレイとして展開された作品です。この作品は日本の伝統工芸品である「和傘」をモチーフにし、クリスマスツリーとリースのデザインが施されています。和傘は古くから日本人に親しまれている一方で、近年では洋傘の普及によりその職人が減少しつつあります。この課題に対し、資生堂は自身が培ったデザイン哲学を日本の伝統工芸品に適用することで、新しい美を見出し、次世代へと継承することを目指しました。
「在る美」は、すでに多くの国内外の名誉ある賞も受賞しています。Red Dot Design Award 2024でのグランプリ、FRAME Awards 2024 のWindow Display of the Year、第103回ニューヨークADC賞ブロンズ、日本空間デザイン賞2024グランプリ大賞など、数々の栄誉に輝いています。
デザインの背景とストーリー
アートディレクター兼デザイナーの金内幸裕氏は、この受賞について次のようにコメントしています。「資生堂は人が持つ潜在的な美を探求し、新たな美の定義に取り組んできました。和傘に対してこのアプローチをすることで、日本の伝統工芸の持つ純粋で根源的な美を表現したいと考えました。このような背景にあるストーリーまで評価され、大変光栄に思っています。」
メイクアップブランド「inoui」
もう一つの受賞作品は、1980年代に誕生した日本のメイクアップブランド「inoui」です。個人の美を大切にし、ファッションセンスを引き出すことに注力してきたこのブランドは、均質化が進む日本の美容業界において、いかに「自分らしさ」を大切にするかを重視しています。特に、肌と骨格を引き立てるベースメイクを中心にしたカラーコレクションが展開され、女性たちに力を与えています。
クリエイティブディレクター永田香氏はこの受賞について、「世界的に権威あるデザイン賞を受賞できたことを心から嬉しく思います。『inoui』という名はフランス語で『比類ない』という意味を持ち、ブランドとしての先進的イメージを大切にしつつ、心を揺さぶるデザインを追求しました。新しいパッケージが評価されたことは、私たちの思いや信念が伝わった証だと思います。」と語っています。
まとめ
資生堂クリエイティブの今回の受賞は、デザインと伝統工芸、さらには個の美を高める取り組みの集大成とも言えるもので、多くの人々に感動を与えています。デザインの力がどのようにして新たな価値を創造し、次世代に受け継がれていくのか、その可能性に期待が高まります。