日本初の活動量計調査で見る成人の身体活動実態
最近、明治安田厚生事業団と笹川スポーツ財団が共同で実施した「活動量計による身体活動・スポーツの実態把握調査2025」が発表され、初めて成人の身体活動量の全国代表値が示されました。この調査は、全国47都道府県から集められたデータを基に、私たちがどの程度身体を動かし、どれだけの時間を座って過ごしているのかを客観的に把握しようとするものです。
調査の背景
これまで、全国的に把握されてきた身体活動の指標は主に歩数でしたが、実際にはどの程度身体活動を行っているのかは十分に解明されていませんでした。そのため、今回の調査では、活動量計を用いて中高強度の身体活動に費やす時間や活動強度、座位時間を厳密に測定しました。
調査の結果、成人の中高強度身体活動時間の中央値は1日56.2分であり、厚生労働省が推奨する60分にはわずかに届かないことが分かりました。運動・スポーツ実施者の43.3%が推奨量を満たしていないとの結果も明らかとなり、実態を浮き彫りにしました。
調査結果の詳細
調査の結果、以下のようなデータが得られました:
- - 中高強度身体活動時間:全体で56.2分(男性56.6分、女性55.7分)
- - 低強度身体活動時間:男性297.4分、女性376.4分で、女性が約80分多く身体を動かしている。
- - 座位行動時間:全体で531.5分。特に20代が最も長く、約560分を座って過ごしています。
このように、身体活動の実態を明らかにするデータが集まったことは重要な一歩ですが、実施者や運動をしない人々の活動量の違いにも注目が必要です。
身体活動と健康について
厚生労働省は、成人に対し1日60分以上の中高強度身体活動を推奨していますが、本調査では達成率が45.1%という結果でした。これは、成人が予想以上に活動が不足していることを示しています。また、運動・スポーツを実施しない人でも約4割が推奨量を満たしていることから、普段の生活の中での活動が重要であることが浮き彫りになりました。
課題と今後の展望
今回の調査は、長年にわたり行われてきた全国調査の成果として、活動量データを基に体力への影響や健康政策の指標を評価するための貴重な材料となります。研究者は、このデータを利用し、国民の健康を促進するための方策を提言していく予定です。
特に、低強度身体活動の時間が女性において長いことは、これまで見過ごされていた側面です。今後は、歩数だけでは測りきれない身体活動の実態を捉え直し、より多くの人々が健康的な生活を送るための支援を行う必要があるでしょう。
研究責任者のコメント
研究責任者である川上 諒子氏は、「今回の調査は日本人の身体活動の実態を客観的に捉え、健康推進に向けて新たな知見を提供できるものです」と述べ、今後さらに詳細な分析を進めていく意向を示しました。
このように、活動量計を用いた調査は、私たちの健康と生活習慣を見直すための貴重なデータを提供しています。これを機に、運動や日常生活の中での活動を見直し、健康的な生活を送るための環境整備が必要です。