aiESGが日本初のTNFDレポートを自主開示、持続可能な社会へ一歩前進

aiESGが本格的なTNFDレポートを自主開示

株式会社aiESGは、福岡県福岡市に本社を置くスタートアップで、九州大学から派生した独自のAI技術を駆使し、サプライチェーンにおけるESG評価プラットフォームを提供しています。この度、aiESGは、日本国内のスタートアップとして初めて、TNFD（自然関連財務情報開示タスクフォース）に準拠したサステナビリティレポートを自主的に公開しました。この発表は、ESGを経営に組み込むことが求められる現代のビジネス環境において重要な一歩となります。

TNFDレポート公開の背景

TNFDは、環境への配慮を企業経営に組み込むことを目的に設立されたタスクフォースですが、そのレポートの公開は大手企業が主流となっています。中小企業やスタートアップにとっては、その内容を開示すること自体が高いハードルとなっています。

しかし、aiESGはこの挑戦に立ち向かい、「自らが顧客の羅針盤となる」という強い意志を示すために、社内の透明性と説明責任を重視したレポートを発表しました。このレポートは、他の企業がESGに取り組む際のモデルケースとなります。

TNFDレポートの主な内容

aiESGのTNFDレポートは、同社が提供するESG分析の手法を自社の活動にも応用したもので、自然資本に関連するリスクと機会を分析しています。具体的には、以下の内容が解説されています。

1. 自社の環境フットプリントの特定
aiESGの主な事業はAIを活用したコンサルティングであり、物理的な製品の製造は行っていません。したがって、直接的な環境負荷（Scope1）は限定的ですが、オフィスでの電力消費や移動による温室効果ガス排出が主要な排出源であることが判明しました。

2. サプライチェーンにおける主要なリスクと機会
サプライチェーン全体からのデータを収集し、特にAI開発を支えるデータセンターにおける冷却水使用などが、環境負荷の主要因であると識別されました。また、自社の直接排出だけでなく、サプライチェーン全体で多くのGHGが排出されることも確認しています。

3. 今後の目標とコミットメント
aiESGは、特定されたリスクと機会に基づき、水の持続可能性、カーボンフットプリント管理、社内体制の強化に注力する方針を明らかにしています。特に、サステナビリティ委員会を設置し、全社的な知識向上を図ることで、ESG経営を組織文化として根付かせることを目指しています。

代表取締役からのメッセージ

株式会社aiESGの代表取締役、馬奈木俊介氏は、今回のレポート公開を単なる情報開示に留まらず、全ての事業活動にESGへの配慮を組み込むための決意表明としています。「科学的知見をもとに、実際の行動に繋げることが重要です。これが、共にサステナビリティを目指すスタートアップや中小企業にとって、確かな一歩となることを願っています」とのコメントが寄せられています。