未来に向けたアートの風景を描く
京都の地から、アジア全域に美術精神のネットワークを広げる新たなプロジェクト「KYOTO Gathering for Asian Art Students」が始動します。このイベントは2025年11月に開催され、東南アジアと東アジアの美術系大学の学生が集まり、相互理解を深めることを目的としています。
ICA京都(Institute of Contemporary Arts Kyoto)は、2020年の創設以来、現代アートの探求と教育の場を提供してきました。2025年4月からは、森美術館の館長として知られる片岡真実氏が所長に就任し、新体制でのさらなる発展を目指します。この体制移行に伴い、ICA京都は学生やアートに関心を持つ人々に向けて、より多くの機会を創出していく計画です。
学生たちがつながる場
「KYOTO Gathering for Asian Art Students」は、アジアの美術教育の新たなプラットフォームを提供します。この3日間の合宿型イベントでは、美術大学で学ぶ30名の学生が集まり、アートに関連する多様なテーマについてグループディスカッションを行います。初回は2025年11月12日から14日まで、京都芸術大学で開催される予定です。
アートの未来を描くカンファレンス
このカンファレンスでは、参加者たちが「Flipping Point: アジアから見つめ返す世界」というテーマのもと、グローバルなアートの潮流や学生自身のキャリア形成について掘り下げます。演者には、ナショナルギャラリー・シンガポールのチーフキュレーターであるパトリック・フローレス氏や、アーティストのイー・イラン氏が参加し、基調講演を行います。さらに、エクスカーションを通じて京都の豊かな文化と歴史を学ぶことも予定されています。
新たな価値を創造する
このプログラムは、アジアの多様な文化背景を持つ学生がアートに対する理解を深め、次世代のアートシーンを担うための人脈を形成する場を提供します。近年のパンデミックや政治情勢の中で、若いクリエイターたちが直面する現実に対し、これらの議論を通じて共に未来を見据えたビジョンを描くことを目指しています。
応募について
現在、国内外の美術大学に在籍する大学院生や学部4年生を対象に、参加者の応募が始まっています。応募方法はICA京都の公式ページで確認でき、必要事項を記入の上、ポートフォリオや研究資料をアップロードすることで簡単に応募が可能です。締切は2025年7月28日となっています。また、イベントに関連するプログラムとして、英語でのコミュニケーションを高めるワークショップも開催され、国際的なアート体験を提供します。
未来への投資
ICA京都は、伝統文化の深い京都において現代アートのこれからをどう発展させるのかを考える重要な役割を担っています。この地域で育まれる新たなアーティストやキュレーターたちが、アジア地域全体を牽引する存在となることが期待されます。今後の活動に注目です。