新たなカーボンクレジット創出プロジェクトの発表
出光興産株式会社とGreen Carbon株式会社は、フィリピンのイザベラ州において新たなカーボンクレジットを生み出すためのプロジェクト契約を締結しました。この取り組みは、出光興産が出資し、Green Carbonが事業化に向けた検証を進めるものです。このプロジェクトにより、得られたカーボンクレジットは二国間クレジット制度に基づき、日本とフィリピンに配分される見込みです。
フィリピンのGHG排出量の現状
フィリピンの農業におけるメタンなどの温室効果ガスの排出量は、年間約5,400万トンにのぼり、そのうち約25%が水田からのものであることが指摘されています。特に、フィリピンの稲作スタイルは水田に常に水を張るため、酸素が供給されず、メタンを排出する微生物が活発になりやすくなります。このため、フィリピンの米作りではメタン排出が増加してしまいます。
一方、日本では水田を定期的に乾燥させる「間断灌漑」を行うことで、メタンの排出を抑えることができています。このような背景から、Green Carbonは間断灌漑をフィリピンの稲作に導入することを計画しています。
新プロジェクトの具体的な取り組み
新プロジェクトでは、フィリピンの稲作に間断灌漑を取り入れることで、GHGの排出を抑えることを目指します。これにより、水田由来のメタン排出量を削減できると期待されています。また、本プロジェクトにおいては、フィリピンの関係機関と連携し、カーボンクレジット創出のための事業化検証を尽力します。
さらに、日本とフィリピンでのカーボンクレジット配分の特性を生かし、出光興産は自社の排出量削減を図り、Green Carbonは日本市場での販売を見込んでいます。この取り組みにより、持続可能なビジネスモデルを構築していくことが目標とされています。
信頼性のある検証体制
本プロジェクトでは、JCM(Joint Crediting Mechanism)方法論「PH_AM004 Ver1.0」を適用し、GHG排出削減量を算定します。また、プロジェクトの信頼性と透明性を担保するため、JCM認定の第三者機関による検証を行うことが決定されており、このプロジェクトの信憑性を高めるための努力がなされています。
出光興産とGreen Carbonが共に進めるこのプロジェクトは、2030年の脱炭素社会実現に向けて重要な一歩となるでしょう。彼らは、2026年を目標に事業化を目指しており、フィリピンの農業におけるGHG排出量削減に貢献しつつ、持続可能な社会の実現を目指しています。
会社概要
Green Carbon株式会社は2019年に設立された企業で、東京都千代田区に本社を構えています。カーボンクレジットの創出や販売、農業関連事業に取り組んでおり、出光興産は1940年に設立され、東京都千代田区に本社を置く老舗企業です。エネルギーや素材の開発、販売を通じて、多様な社会に貢献しています。今後も両社の活動は注目されることでしょう。
お問い合わせ
本プロジェクトに関する詳細は
こちらのリンクからご確認いただけます。カーボンクレジットについての詳しい情報や拡張性のあるビジネスモデルの提案など、さらなる進展が期待されます。