前田建設工業、山岳トンネル施工に新技術を導入
最近、前田建設工業株式会社が山岳トンネルの発破掘削において新しい技術の実証施工を開始しました。この取り組みは、作業員の安全確保と効率的な作業の両立を目指したものです。
自動装薬システムの導入
この技術の中心には、自動装薬システムが存在します。このシステムは、作業員が危険な切羽直下に立ち入ることなく、運転席から一人で装薬作業を行えるように設計されています。これにより、作業員の立ち入りをゼロにすることが可能になります。山岳トンネル工事においては、岩盤が露出する切羽での作業が高リスクであるため、この革新は極めて重要です。
実証施工は福島県で発注された浪江三春線・(仮称)2号トンネルの工事現場で行われ、穿孔計画から発破までを一貫して自動化しました。この新技術は、全自動のドリルジャンボからの穿孔データを基に、発破パターンを自動で作成し、さらにワンボタンで実火薬を装填することに成功しました。
発破パターンの自動作成とその効果
装薬機は、穿孔実績をもとに発破パターン作成支援システムを利用して、最適な発破パターンを自動生成します。これにより、従来の熟練作業者の経験に依存することなく、より高精度で安全な発破が可能とされます。実際、今回の実証では約15%の孔数削減に成功しました。
さらに、発破後の状況も理想的で、切羽形状に問題がなかったことが確認され、必要な孔数だけで施工を行うことが実現しました。この結果からも、新技術による作業の安全性と効率性が実証されたといえるでしょう。
今後の展望
前田建設工業は、無線電子雷管システムの社会実装と標準化にも取り組んでいます。このシステムを装薬機に適用することで、人手による結線作業を省略し、さらなる安全性と効率化を追求します。実績を重ねることにより、全国の山岳トンネル現場への導入を進め、改善を続けて行く方針です。
これらの革新技術は、今後の山岳トンネル工事における作業環境を根本的に変える可能性を秘めており、ますます注目が集まっています。工事の安全性向上を図ることで、施工業界全体に貢献できることが期待されます。