ダイナミックマッププラットフォームがPTV Vissimに対応
2025年8月26日、アトランタで開催されたITS世界会議において、国際ブランドUmovityの一部を成すPTV Groupが画期的な情報を発表しました。日本の地図データプロバイダーであるダイナミックマッププラットフォーム株式会社(DMP)との提携を通じて、PTV Model2Go for PTV Vissimが自動生成されたネットワークモデルを提供する新たなサービスを展開します。これは、自動車開発や交通プロジェクトにおける仮想試験の迅速化を目指しています。
高精度なデジタル表現
交通シミュレーションの基盤となるのは、道路ネットワークの正確なデジタル表現です。しかし、高精度なネットワークを手作業で作成するのは非常に手間がかかります。DMP社が提供する高精度3次元地図データにより、PTV Model2Goはこの作業を自動化し、作業負荷を大幅に軽減します。これにより、プロジェクトの進行がスムーズに行えるようになります。
DMPのCEO吉村修一氏は「1月に結ばれたMOU以来、PTVと協力してきました。PTVが当社のディストリビューターとなることを発表できたことは嬉しい限り」と述べ、彼らの3次元データセットが交通シミュレーションの効率化に寄与することを期待しています。
自動車産業の新たな可能性
UmovityのCEO、Christian U. Haas氏は「PTV Vissimは交通シミュレーションのリーダーであり、DMPのデータを活用することでさらなる可能性が開かれます」と言及し、この新たな連携が自動車産業だけでなく交通工学全般に新しい機会を提供すると期待されていることを強調しました。
国際市場への拡大
PTV Vissimにより自動生成されたネットワークは、INPXおよびOpenDRIVE形式で提供され、米国、カナダ、EU、英国、日本、韓国などの主要国際市場をカバーします。これにより、世界規模で約180万kmのデータが交通シミュレーションに活用され、シミュレーションの効率化を図ります。
ダイナミックマッププラットフォーム株式会社とは
DMPは、日本政府の支援を受け、国内の自動車メーカー10社などが出資して設立されました。日本を本拠地とし、北米、欧州、中東、韓国へも展開し、現実世界をデジタル化する高精度3次元データの提供に注力しています。彼らのデータプラットフォームは、多くの産業の革新を支えています。
PTV Groupの成り立ちと目指す未来
PTV Groupは、交通計画やシミュレーションにおけるリーダー企業として知られています。創業40年以上を誇るドイツ本社のこの企業は、独自のアルゴリズムを基にした交通モデリングや管理技術を提供し、世界中の都市や自治体に貢献しています。2022年には、統計や制御のシステムを統合したUmovityブランドを立ち上げ、持続可能なモビリティの実現に向けて進んでいます。
この新たな連携は、よりスマートで持続可能な都市を作り出すための重要なステップとなりそうです。