奈良市の秋季特別展「かがみ」について
奈良市教育委員会は、令和7年度に秋季特別展「かがみ―含水居蔵鏡と銅鏡史―」を開催します。この特別展は、富雄丸山古墳の発掘調査で出土した貴重な銅鏡や、地域内で著名な個人コレクションをもとに、銅鏡にまつわる歴史を広く市民に紹介することを目的としています。
展示の目的と背景
奈良市では、2022年から2024年にかけて富雄丸山古墳の発掘調査が行われ、そこで見つかったのは、他に類を見ない「鼉龍文盾形銅鏡」や中国製の銅鏡などです。この驚くべき発見を契機に、地域の文化財に対する関心を高めることが重要だと考えられています。
また、包含水居蔵鏡は古墳時代の代表的な資料として知られており、過去には約70面が飛鳥資料館で展示された実績があります。しかし、 recentの調査では、これに加えてさらに約60面の銅鏡が存在することが明らかになりました。この貴重なコレクションによって、奈良市の文化財の価値と意義を多くの人々に理解してもらえるものと期待されています。
開催概要
特別展は奈良市埋蔵文化財調査センターの1階展示室で、2023年11月4日から12月26日まで開催されます。土曜日と祝日は休館日であり、日曜日は開館しています。入館は無料で、開館時間は9時から17時までで、最終入館は16時30分です。特別展だけでなく、埋蔵文化財講演会も行われます。
講演会の詳細
講演会は令和7年11月23日、午後1時から4時半まで開催され、聴講は無料です。講師には島根大学の岩本崇准教授と奈良市埋蔵文化財調査センターの村瀬陸主務が招かれ、それぞれ「富雄丸山古墳出土鏡群の歴史的意義」と「含水居蔵鏡とミクロな銅鏡の世界」について講演します。参加希望者は往復葉書に必要事項を記入し、11月7日までに申し込みが必要です。定員は50名で、応募者が多い場合は抽選となります。
展示内容の紹介
特別展は3部構成で、各部は異なるテーマで展示が行われます。
第1部: 含水居蔵鏡
この部では、海獣葡萄鏡を中心とする含水居蔵鏡の個人コレクションの貴重な銅鏡が展示されます。特に殷、戦国、漢、宋時代に製造された銅鏡が含まれており、総数138面に及びます。これらの資料を通じて、銅鏡の歴史を学ぶ第一歩として位置付けられています。
第2部: 富雄丸山古墳出土鏡
富雄丸山古墳から出土した銅鏡の魅力も紹介されます。今回展示されるのは、出土した銅鏡の一部と、デジタルマイクロスコープを用いた最新の研究成果です。
第3部: 平城京跡出土鏡
平城京跡から発見された銅鏡も含まれ、初めて一括公開される機会となります。約15面の銅鏡が展示され、その希少性と美しいデザインが来場者の目を引くことでしょう。
まとめ
今回の秋季特別展「かがみ」は、奈良市の銅鏡の豊かな歴史を学べる貴重な場です。地域の文化財に触れることで、その重要性を再認識し、次世代へと受け継いでいく契機となることが期待されます。興味がある方はぜひ足を運んでみてください。
お問い合わせ先
奈良市教育部文化財課埋蔵文化財調査センター
電話番号: 0742-33-1821