増す就業不能への備えに関する意識
近年、働き方のスタイルが多様化し、また精神疾患への関心も高まる中で、「就業能力喪失時のリスク」に対する備えが重要視されています。損害保険ジャパン株式会社が実施した調査によれば、働けなくなったときの経済的なリスクをいかにカバーするかが、多くの人々にとっての重要な課題となっていることが分かりました。
1. 調査の背景
この調査の背景には、育児や介護との両立が求められる働き手のニーズの多様化があります。精神疾患に対する認識の変化や、医療・年金・介護といった公的保障制度が抱える限界も影響しており、所得補償や団体長期障害所得補償保険(GLTD)といった、「働けなくなったときのリスク」へ備える制度に対する関心が高まっています。
2. 調査結果の概要
この調査結果からは、以下のようなポイントが浮き彫りになりました:
意識と実態の乖離
医療保険や傷害保険は多くの人に認知され、高い加入率を誇る一方、就業不能時の所得補償保険の加入率は20%強に留まっています。このことから、多くの人が「治療費」には備えているものの、生活費を維持するための備えが手薄であることが明らかになりました。
知識不足という無防備
さらに、76%の人が就業不能時の「生活費の維持」に不安を感じながらも、70%以上がGLTDの制度について知識がないと答えています。このことは、生活者が「どう備えればよいか分からない」という状況を招いています。正確な情報を広めることが社会的な課題となっているのです。
家族を守るための切実なニーズ
就業不能時に強く不安を感じる要因として、住宅ローンの返済や教育費の負担が上がっています。これらは生活基盤に直結するものであり、多くの人が家族の生活を守れなくなることを恐れています。万が一の事態に備える保険制度が存在するにも関わらず、十分に市民に行き渡っていないのが現状です。
精神疾患へのリスク認識
最近の調査では、日常的に考えられるリスクとして「がん」が高く挙げられる一方、心筋梗塞や脳梗塞に加え、うつ病や適応障害といった精神疾患も重要視されるようになっています。ストレス社会において、心の健康への懸念が高まっていることが伺えます。
3. 調査の詳細
調査は2026年1月にインターネットを通じて実施され、全国から18歳から69歳までの男女3,832名が回答しました。医療補償や傷害補償に関する認知度は高く、特に医療補償は95%以上の認知度、加入率が80%以上です。
一方で、GLTDを含む所得補償の認知度と加入率は依然として低いことが分かりました。企業の福利厚生の一環としての普及が進んでいないため、制度の知名度が不足していることが主な理由と考えられます。
4. 治療だけでなく生活の保障へ
損保ジャパンは、こうした市場のニーズに応えるため、所得補償保険やGLTDを通じて、働けなくなった際の生活の保障を強化しています。
所得補償保険
この商品は、病気や障害により働けない場合に、一定期間中における収入を補償します。
GLTD
これは長期間の療養が必要な場合に備えた団体向け保険で、収入が喪失することを防止するための重要な制度です。
5. 今後の取り組み
損保ジャパンは、今後も就業不能時の保障について定期的に調査を続け、消費者の声を反映した商品やサービスの開発を進めていく方針です。社会が抱えるさまざまなリスクや不安に応えるため、より信頼される存在としての役割を果たしていくことが求められています。