ドロミテに日本の酒蔵、Hoshitaro Sake Breweryが開業!
2025年10月、北イタリア・トレンティーノ=アルト・アディジェ州、ドロミテ山脈の美しい自然環境の中に初となる日本酒の蔵が開業します。Hoshitaro Sake Brewery(ホシタロウ・サケ・ブルワリー)を代表する淺田星太郎氏が運営し、日本の酒文化をイタリアに広める新たな拠点となることが期待されています。ユネスコ世界遺産にも登録されているドロミテは、「世界で最も美しい山岳地帯」の一つとして有名であり、自然環境はもちろん、文化や歴史も豊かです。その中で、日本酒の技術と精神を融合させ、特別な体験を提供する場を設けるという試みが始まります。
これまでの道のり
淺田氏は2023年にイタリアで初めて「米ソムリエ」の資格を取得し、以降2年間に渡って現地の醸造所で日本酒の試験醸造を行ってきました。この経験から得たデータを活かし、地域の水質や気候にマッチした日本酒造りを目指しています。日本からの文化的な影響を取り入れながらも、現地の条件での最適な製品を生み出すことに挑戦し続けています。
現地のレストランと日本酒文化の拡充
Hoshitaro Sake BreweryのSAKEは、既にイタリア国内の20店舗以上の日本料理やイタリア料理のお店で取り扱われており、特にミシュランに掲載された店舗でも広く受け入れられています。また、淺田氏は現地の飲食業界関係者に向けて日本酒に関するセミナーや講座を開催し、その魅力を広める活動を展開しています。
サステナブルな酒造り
酒蔵は「プリミエーロ・サン・マルティーノ・ディ・カストロッツァ」という山岳リゾートに位置しており、地元の水質は超軟水と超硬水が共存しており、その特性を活かして異なる醸造方法を選択できます。また、有機自然米を使用し、再生可能エネルギーで運営することで、環境への配慮も大切にしています。
無添加純米酒にこだわる
酒蔵では無添加の純米酒を製造する予定で、米、米麹、水のみを使用した純粋な味わいを追求しています。地元での嗜好に合わせるのではなく、日本酒本来の品質と伝統を重視した製品作りを行っています。
クラウドファンディングに支えられて
2023年にはクラウドファンディングを実施し、多くの応援が寄せられました。イタリアで新規事業を立ち上げる難しさにもかかわらず、多くの人々の支援に感謝し、文化の共創を進めることができました。この酒蔵の開業は、日本とイタリアをつなぐ新たなストーリーの始まりです。
アワード受賞と今後の展望
2024年には、試験醸造したSAKEがMilano Sake Challengeでプラチナム賞を受賞しました。今後は、イタリア国内のみならず、フランスやドイツ、北欧地域への進出も視野に入れています。現地流通網と連携し、新たな日本酒文化の架け橋となることを目指しています。
一期一会の体験を提供する
Hoshitaro Sake Breweryでは、商業流通とは異なり、この地でしか得られない特別な体験を提供します。日本文化に触れできる文化講座や五感を使った体験型プログラムを通して、「SAKEとは何か」を深く実感する機会を創出します。すでに世界各国からの訪問があり、国際的な注目を集めています。私たちは、この酒蔵をイタリア人にとってのSAKE文化への入口とし、世界中の人々に日本の魅力を伝える拠点として育てていきます。
醸造所概要
- - 醸造所名: Hoshitaro Sake Brewery(ホシタロウ・サケ・ブルワリー)
- - 代表者: 淺田 星太郎(Asada Hoshitaro)
- - 所在地: Piazza Val d’Aosta, 9/A Pieve, Primiero San Martino di Castrozza 38054 (TN), Italy
- - オープン予定: 2025年10月
- - 醸造内容: SAKE/無添加/地元素材の活用
お問い合わせ
この美しい環境の中で日本酒の未来がどのように形作られていくのか、今から楽しみです。