インドネシア・アチェにおけるグリーンアンモニア事業の共同開発
インドネシア共和国アチェ州で、TOYOエンジニアリング株式会社と伊藤忠商事株式会社、さらにPupuk Indonesia Holding Company(PIHC)が共同開発契約を締結しました。このプロジェクトは「GAIA」と名付けられ、再生可能エネルギー由来のグリーン水素を利用して、既存のアンモニアプラントからグリーンアンモニアを製造することを目指しています。この取り組みは、2024年8月21日にジャカルタで開催されたアジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)の第2回閣僚会合で正式に発表されました。
プロジェクトの背景と目的
TOYOが2000年代に設計・建設したアチェ州のPupuk Iskandar Muda(PIM)にあるアンモニアプラントを活用し、適切な水電解装置を設置することで、効率的なグリーンアンモニアの生産を実現します。このグリーンアンモニアは、伊藤忠商事によって船舶燃料として利用されることで、環境に優しいエネルギーの新たなバリューチェーンを構成することを目指します。
さらに、このプロジェクトは商業規模でのグリーンアンモニア製造としては、世界で初の取り組みであり、成功すればアチェ州内の他の既存プラントにも同様の仕組みを導入することが見込まれています。このように、持続可能な社会の実現に向けた重要な一歩となることでしょう。
計画の進行状況と今後の展望
本プロジェクトは、「グローバルサウス未来志向型共創等事業補助金」に採択されており、経済産業省の支援を受けて進められます。2024年8月からは基本設計(FEED)が開始され、同年内に3社で共同企業体(Joint Venture Company)の設立を予定しています。その後、2025年前半には最終投資決定(FID)を行い、2027年頃には生産を開始することを目指しています。
TOYOはインドネシアをはじめとして、世界各地でのアンモニアプラントの建設実績を活かし、このプロジェクトでの再生可能エネルギー由来のグリーンアンモニアの製造を通じて、さらなる事業創出に取り組んでいきます。その結果、持続可能な社会の実現に向けた貢献を果たすことが期待されています。
最後に
この注目のプロジェクトは、インドネシアのみならず、世界中のエネルギーの未来に新たな可能性を与えるものです。環境問題が深刻化する中、グリーンアンモニアの開発と実用化は、持続可能なエネルギー源として注目されています。今後の進展に期待が高まります。