ユビキタスAIのリアルタイムOS「TOPPERS-Pro」が新たなPLCに採用
最近、株式会社ユビキタスAIが開発した商用リアルタイムOS「TOPPERS-Pro」が、株式会社ジェイテクトエレクトロニクスのプログラマブルコントローラ「CLICK PLUS System」に採用されたことが発表されました。この技術的進展は、両社の協業により実現され、製造業における新たな可能性を切り開くものとなります。
採用の背景
ジェイテクトエレクトロニクスは、電機や計測、車載分野において先端技術を提案している企業で、その製品は特に北米市場でも高い評価を得ています。彼らの提供するCLICK PLCは「使いやすさ」を重視しており、通販サイトAutomationDirect.comで販売されています。このサイトは、制御機器いるPLCに加えて、IIoTやHMI製品も幅広く取り扱っています。
新たに導入される「CLICK PLC System」には、TOPPERS-Proと呼ばれるリアルタイムOSや、コア間・OS間の同期を行うための通信ライブラリ「TOPPERS-Pro MDCOM」が組み込まれており、マルチコアやマルチOS環境を利用可能にしています。ユビキタスAIの優れた技術力が評価され、この連携が実現しました。
C2-NREDとその技術的課題
ジェイテクトエレクトロニクスのADCプロジェクトプランナーである倉元氏は、新しいCLICK PLC Systemで実装される「Hybrid(制御とIIoT)」について説明しています。彼らが採用したヘテロジニアス・アーキテクチャは、Linux上でNode-REDを運用しつつ、リアルタイム性の確保が大きな課題でした。これまでTOPPERSは利用されていましたが、マルチコア・マルチOSの知見が不足しており、ユビキタスAIとの協業によりTOPPERS-Pro MDCOMが導入され、無事に新製品がローンチされたとのことです。
CLICK PLC Systemの進化
CLICK PLC Systemは、北米市場で主に小口顧客をターゲットにしてロングテール製品として販売されてきました。リレー制御の置き換えを目指し、コストパフォーマンスを重視して開発されています。その後はイーサネット対応や無線機能など、機能を追加し続けています。現在では、PLCとIIoT機能が融合した新たな形態を提供しています。この進化によって、製造業のニーズに柔軟に応える製品に成長しています。
TOPPERS-Proの特長
TOPPERS-Proは、名古屋大学の高田教授が主宰するNPO法人TOPPERSプロジェクトに基づいており、ユビキタスAIが開発したリアルタイムOSです。オープンソースのTOPPERSに対して付加価値を提供し、品質保証や知的財産権の保証を行っています。特にTOPPERS-Pro/ASP3は、組み込みシステム向けに設計された最新のリアルタイムOSであり、マイクロ秒単位の精度を実現しています。
TOPPERS-Pro MDCOMについて
TOPPERS-Pro MDCOMは、マルチコアやマルチOS環境においてコア間・OS間通信を行うためのライブラリです。このライブラリはリアルタイム性を確保しつつ、低オーバーヘッドで小型・高速な動作を実現します。このことから、特に産業用のリアルタイムシステムにおいて非常に重要な役割を担っています。
ユビキタスAIの展望
ユビキタスAIは、製造業向けのテクノロジーとサービスを提供する企業として、長年の実績に基づいた高品質なソフトウェアを開発しています。特に、マルチコア・マルチOSに力を入れており、今後もさらに多様な技術開発を進めていくことが期待されます。これにより、製造業界の革新を促し、お客様やビジネスパートナー、そして社会全体に貢献するビジネスプラットフォームを構築していく意向です。
ユビキタスAIは、さらなる技術革新に向けて、地域社会やビジネスパートナーとの連携を強化しながら、国内外の市場での成長を続けていくことでしょう。