機械部品の調達を革新！ミスミがロジスティクス大賞を受賞

2025年8月5日、日本のロジスティクス業界で注目されるニュースが発表されました。東京都千代田区に本社を置く株式会社ミスミグループ本社が、公益社団法人日本ロジスティクスシステム協会（JILS）による2025年度ロジスティクス大賞の準大賞を受賞しました。この賞は、ロジスティクスを推進する優れた業績を持つ企業を表彰するもので、今年度で42回目を迎える権威ある賞です。

ミスミの取り組みとD-JITサービスの成功

ミスミは「機械部品の大量注文」を可能にするECサイトを運営しており、その中で提供されるD-JIT（ディージット）というサービスが注目されています。このD-JITは、国内外600社超のサプライヤーの在庫情報をデジタルで統合し、リアルタイムで可視化することに成功しました。この取り組みにより、仮想在庫が約8倍に増加し、顧客への商品供給力が大幅に向上したのです。

受賞理由としては、まず、サプライヤーの在庫だけでなく、受発注の状況もリアルタイムで統合管理することで納期遵守率を向上させたことが挙げられています。さらに、自社の改革だけでなく取引先全体への展開も行っており、調達から生産までの統合的最適化が図られています。

また、データドリブン経営の実現に向けて、AI技術や動態データを活用する取り組みも進めています。これらの努力が、「ものづくり基盤としての物流の価値を再定義する」と高く評価されています。

D-JITとは？

D-JITは、間接材の購買プロセスをデジタル技術によって革新するサービスで、2024年4月15日から日本での本格運用を開始しました。このサービスでは、600社以上の国内外サプライヤー在庫と工場の生産キャパシティをサイバーネットワークで一元的に管理し、注文される数量に応じて、即座に価格と納期を提示します。これにより、購買担当者が直面する探す手間や見積もり待ち時間を削減し、ミスミの強みである「確実短納期」によって時間価値を向上させています。

現在、D-JITを利用している企業は、日本、タイ、台湾、韓国において7万社を超え、連携するサプライヤーもグローバルに拡大しています。これにより、ミスミは物流のデジタル化を進め、その結果、業界全体の効率が向上していることが伺えます。

受賞式と今後の展望

ミスミの受賞を祝う表彰式は、2025年10月17日に開催予定の「ロジスティクス全国大会2025」において行われ、受賞記念講演が実施される予定です。これにより、ミスミの取り組みがさらに多くの企業に認知され、ロジスティクス業界全体への波及効果が期待されます。

ミスミの事業モデルの強み

ミスミは、オートメーションの現場で必要とされる機械部品や工具、消耗品等をグローバルに32.3万社以上に提供しています。製造機能を持つメーカーと商社としてのユニークな事業モデルを持ち、それを支える基盤により「グローバル確実短納期」を実現しています。今後もミスミの取り組みは、多くの企業にとっての参考となるでしょう。