少年と犬の冒険
2024-12-17 11:46:46

実際の内戦を背景に描く少年と犬の涙の旅物語

感動の児童文学『この銃弾を忘れない』



内戦の真っただ中にあるスペインに生きる少年ミゲルの物語、これはただのフィクションではありません。実際の歴史を基にしたこの作品は、家族の絆、勇気、そして成長をテーマにし、読む者の心に深く響く感動的なストーリーです。

背景とあらすじ



物語は1938年、スペインの北部から始まります。内戦が始まってから2年が経ち、ミゲルの父は民主主義を守るために戦争に身を投じ、行方不明となっています。13歳のミゲルは、家庭を支えるために学校を諦め、働く日々を送っています。しかし、運命の転機が訪れます。父の知り合いが帰郷し、父が200キロも離れた町の収容所に囚われていることを知らされるのです。母との会話の中で、「食べ物を持って父を連れて帰ろう」と提案することが、彼の冒険の始まりとなります。

危険と友情の旅



ミゲルは、忠実な犬グレタと共に、父の元へ向かう旅に出ます。しかし、その道のりは決して容易ではありません。オオカミがいる険しい山道、さらには様々な人々—逃亡者、軍人、治安警察官—に出会いながら、彼は未知の世界に踏み込んでいきます。途中で出会う親切な人々や、心に残る少女との交流を通じて、ミゲルは若き心の成長を遂げていくのです。彼の旅は、単に物理的な移動だけでなく、精神的な成長の過程でもあります。

現代の読者へのメッセージ



この物語は、スペイン内戦を背景にしていますが、戦争という過酷な状況は現代においても他人事ではありません。内戦を知らない現代の中高校生に向けて、作者は特に分かりやすい表現を工夫しており、その結果、多くの若い読者から高い評価を得ています。受賞歴も豊富で、中高校生が審査員になった文学賞をはじめ、多くの賞を受け取っています。

作者の紹介



本作の筆者であるマイテ・カランサは、スペイン・バルセロナ出身の実力派児童文学作家です。人類学を学んだ後、教師としての経験を経て1986年に作家デビューを果たしました。彼女は数多くの権威ある文学賞を受賞し、特に『魔女の戦い』は三十か国語に翻訳されています。

翻訳者について



翻訳を手掛けた宇野和美は、スペイン語の専門家であり、スペイン文学の翻訳において非常に高い評価を得ています。彼女は児童書の翻訳にも力を入れており、多数の作品を日本語に翻訳しています。

書誌情報



  • - タイトル:この銃弾を忘れない
  • - :マイテ・カランサ
  • - :宇野和美
  • - 定価:1870円(税込)
  • - 発売日:2024年12月18日(水)
  • - 判型/ページ数:B6・224ページ
  • - 発行:徳間書店

この作品は、現在を生きる私たちに何を伝えてくれるのでしょうか。心を打たれる物語を通して、歴史の中から学ぶことができる一冊です。


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会社情報

会社名
株式会社徳間書店
住所
東京都品川区上大崎3-1-1目黒セントラルスクエア
電話番号
03-5403-4300

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