新たな視点を提示する岡本隆司の最新作
2025年2月19日、水曜日。新潮社から、早稲田大学の岡本隆司教授による驚きの歴史書『倭寇中華を揺さぶる「海賊」の正体』が発売されます。この書籍は、中国史に対する従来の理解を大きく揺さぶるものとなっており、倭寇という中世の海賊が実際には日本の鎖国後も存続し、中国史の重要な要因であり続けたと主張しています。
倭寇の真実とは?
これまでの教科書では、倭寇は14世紀後半に出現し、鎖国体制完成の17世紀に消滅したとされてきました。しかし、岡本教授によると、倭寇は日本人主体ではなく、中国人がその中心に存在していたとのこと。この点を踏まえると、日本が鎖国を始めても、海賊たちが東シナ海から消えるはずがないという論理が成り立ちます。
活動を続ける海賊たち
本書では、岡本教授が17世紀以降も活動を続けていた海賊たちの動向を詳しく追います。彼らはしばしば海外勢力との結びつきを強め、中央政府に対抗する形で中国の歴史を大きく揺さぶってきたのです。さらに、孫文や蔣介石、毛沢東といった歴史的人物たちも、倭寇と同様の力構造を持っていたと指摘しています。
現代の事象ともつながる
興味深いことに、現代における香港や台湾の問題、さらには最近増加している東京に移住する中国系知識人の動きも、倭寇の歴史的観点から理解が深まります。岡本教授はこの新たな視点を「倭寇史観」と名付け、東アジアの600年にわたる長期的な構造を再考する契機を提供しています。
書籍の構成
本書は多くの章から成り立ち、その中では倭寇の新たな見解だけでなく、彼らが果たしてきた役割や影響を詳細に探求します。以下は目次の一部です:
- - 第1章「倭寇」をみなおしてみる
- - 第2章「互市」の時代
- - 第3章近代史における「倭寇」
- - 第4章革命とは「倭寇」?
- - 第5章「倭寇」相剋の現代中国
特に、岡本教授は「倭寇とは中国そのものだ」という命題を掲げ、現代の中国を理解するためには過去の歴史を見直すことが不可欠であると強調します。
著者の経歴
岡本隆司教授は1965年に京都府で生まれ、京都大学大学院の文学研究科東洋史学博士課程を進学しました。宮崎大学助教授、京都府立大学教授を経て、現在は早稲田大学教授として活躍しています。その研究専門は東洋史と近代アジア史であり、著書には数多くの重要な作品が含まれています。
書籍詳細
- - タイトル: 倭寇とは何か中華を揺さぶる「海賊」の正体
- - 著者: 岡本隆司
- - 発売日: 2025年2月19日
- - 定価: 1,760円(税込)
- - ISBN: 978-4-10-603922-5
この新しい観点から、中国史に対する理解を深める絶好の機会を提供する『倭寇中華を揺さぶる「海賊」の正体』。ぜひ手に取って、その内容を探求してみてはいかがでしょうか。