竹筒でたばこを楽しむ奇祭、溝口きせる祭りの魅力とは

溝口きせる祭りとは

竹筒でたばこを楽しむユニークな祭り、「溝口きせる祭り」が筑後市で開催されます。この祭りは、戦国時代にさかのぼる歴史を背景に持ちます。1578年、溝口城主の溝口正重は、佐賀の竜造寺隆信に襲われ城を落ち、民家を焼かれるという悲劇を体験しました。このとき、近くの竹藪に逃げ込んだ彼は、山芋を食べながら竹を切り、それを使ってタバコを詰めた煙管の代用品を作ったと言われています。

この伝承にならい、毎年行われる溝口きせる祭りでは、参加者が竹で作った煙管を使ってたばこを楽しむことができます。イベントは、地元の氏子たちが集まり、竈門神社まで練り歩くことで始まります。神社に到着すると、ご神体やお飾りが神前に捧げられ、神事が執り行われます。この神聖な儀式の後、一般参加者も加わり、長さ約30cmの青竹の煙管に刻みタバコを詰めて楽しむことができるのです。

祭りの見どころ

この祭りの最大の魅力は、一斉に青竹の煙管に点火したときの盛り上がりです。参加者が慣れない刻みタバコを吸い込むと、むせ返る人が続出し、現場は笑いと涙に包まれます。訪れた方々は、先人の苦労を偲びながら、古き良き風情を楽しむことができるでしょう。さらに、一般参加者は無料で体験できるため、気軽に参加できます。