襖絵の再会特別展
2025-04-15 11:27:20

150年の時を超えた特別展示、襖絵が再会を果たす

青森県中泊町の旧家、宮越家で注目の特別展示が行われることが決定しました。この展示では、約150年ぶりに再会することとなる2組の襖絵、「春景花鳥図」と「秋冬花鳥図」が公開されます。かつて日本美術の重要な一部であったこれらの作品には、特筆すべき歴史が秘められており、その復元に重要な役割を果たしているのが「綴プロジェクト」です。

この「綴プロジェクト」は、キヤノンと特定非営利活動法人 京都文化協会が共同で実施している文化支援の取り組みで、日本の貴重な文化財を復元し、後世に伝えることを目的としています。最近、このプロジェクトの一環として制作された「秋冬花鳥図」の高精細複製品が、再会を果たした「春景花鳥図」とともに展示されることが決定しました。

これらの襖絵は、もともとは奈良県の談山神社が所蔵していたものであり、明治維新後の社会混乱の中で流出し、各々の道を歩んできました。「春景花鳥図」は1922年に宮越正治によって購入され、長きにわたって大切に保管されてきました。一方で「秋冬花鳥図」は1937年から大英博物館に所蔵され、長い間異国の地でその美しさを称賛されていました。

際立った美術的価値を持つこれらの作品は、それぞれの歴史と文化を反映した貴重な資料です。特に、「秋冬花鳥図」は江戸時代の狩野派の作品としてその風格を感じさせ、秋冬の風景を見事に表現しています。展示会では、訪れた人々がガラスケース越しではなく、間近でその美を楽しむことができる貴重な体験が提供されます。

訪問者は、中泊町の指定された発着場から運行される専用のシャトルバスを利用しなければならないため、注意が必要です。また、事前予約制で最大80名までの入館が可能なため、興味のある方は早めの予約をお勧めします。展示会の期間は、「春」2025年5月23日から6月29日までと、「秋」2025年9月26日から11月2日までの2期に分かれています。入場料は2,500円で、この料金で貴重な美術品を間近で鑑賞できる機会を得ることができます。

この特別展示は、青森県中泊町の主催のもと、キヤノン株式会社と京都文化協会の協力があって実現したものです。特に、今回の再会が果たされた意義や背景を深く理解してもらうため、監修を務めている山下善也氏からの解説もあり、参加者にとって貴重な学びの場となるでしょう。歴史を見つめ直し、美術に触れる素晴らしい機会となるこの展示会に、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。「綴プロジェクト」を通じて復元された「秋冬花鳥図」とともに、約400年前に描かれた日本の美の再会をじっくりと味わうことができる特別な時間が待っています。


画像1

画像2

画像3

会社情報

会社名
キヤノン株式会社
住所
東京都大田区下丸子3-30-2
電話番号
03-3758-2111

トピックス(地域情報)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。