三菱電機、令和7年度全国発明表彰で発明賞を受賞
三菱電機株式会社が、公益社団法人発明協会主催の「令和7年度全国発明表彰」にて、革新技術により「発明賞」を受賞しました。本受賞は「中央部に変形リブを設けて軽量・高効率化を達成したプロペラファンの発明」に関連しています。受賞は、脱炭素社会の実現と省エネ化が求められる現代において、重要な意義を持つものとなります。
プロペラファンの革新
空調機に搭載されるプロペラファンの性能向上は、省エネと直結しています。特に、ヒートポンプ式の空調機が注目を集める中、効率的な空気の送風は欠かせない要素です。従来のプロペラファンは、強度を確保するために大量の樹脂を使用していました。しかし、リサイクルが難しいこの材料の使用量を削減しつつ、軽量化と高効率化が求められていました。
三菱電機が開発した新型プロペラファンは、中央部に外向きの変形リブを設置することで、強度を維持しながらも軽量化を実現しました。これにより、ファンの重量は約43%削減されることができました。
送風効率の向上
この新技術は、ファンの回転時に発生する竜巻状の旋回流を利用し、従来の設計における無駄な風の流れを改善します。これにより、吹き出し方向の風路が増え、送風効率が大幅に向上しました。具体的には、ファンモーターの消費電力が約12%削減され、エネルギー効率も大きく向上しています。
環境への配慮
三菱電機が開発したプロペラファンは、既に多数のヒートポンプ式空調機に採用されています。この技術によって、国内出荷分のルームエアコンにおける年間CO2排出量は約3,386トン削減される見込みです。また、軽量化によって樹脂使用量も減少し、輸送コストの低下を実現するなど、環境に優しい製品を提供することに貢献しています。
全国発明表彰の意義
全国発明表彰は、日本の科学や技術の発展に寄与することを目的とした権威ある表彰制度です。1919年から続くこの制度は、多数の発明や意匠が表彰され、多くの才能を世に送り出してきました。
三菱電機は、これまでにも多くの受賞実績を持ち、特に環境問題への取り組みや技術革新において注目されています。今後もさらなる研究開発に注力し、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを続けていくことが期待されています。
まとめ
三菱電機の新たなプロペラファン技術は、脱炭素社会の実現に向けた重要なステップです。軽量化と送風効率の向上により、省エネ化が実現し、環境への影響も抑えられます。今後の技術進化や新たな製品にも期待がかかります。