中高生の疲労とスマートフォン使用の関連性
一般社団法人日本リカバリー協会が、株式会社ベネクスとの共同で発表した「ジュニア年代のリカバリー白書2025レポート Vol.1」によると、中高生の約70%が日常的な疲労感を抱えていることが分かりました。この結果は、特にスマートフォンの長時間使用が影響を与えていることを示しています。調査は、運動や栄養と並ぶ健康の3要素「リカバリー」に焦点を当て、中学生から高校生の生活習慣を分析しました。
疲労感の増加
調査によれば、幼稚園児に比べて中高生の疲労感は顕著に増加しています。たとえば、「ひどく疲れた」と感じる生徒は高校生においては24.7%に達し、幼稚園児の3.3%からの急増が見られます。さらに、中高生の約3分の2が日常的に疲労を感じていることが明らかになりました。これらは、教育環境や学年の上昇に伴って心身の負担が増すことを示しています。
睡眠時間の短縮
年齢が上がるにつれ、睡眠時間が減少する傾向も顕著です。幼稚園児の74.7%が9時間以上の睡眠を確保しているのに対し、中学生や高校生ではこの割合はそれぞれ37.8%、36.6%にまで低下しています。この背景には、晩寝が影響を与えており、幼稚園児や小学生の多くが21時台に就寝しているのに対し、中学生は22時台、高校生は23時台が最多という結果が出ました。
学習時間の二極化
また、学習時間の二極化も顕著です。中学生では、学習時間が「ほとんどない」と答えた生徒が20.1%いる一方で、1時間以上学習する生徒も45.6%を占めています。高校生においては、「ほとんど学習しない」生徒が38.0%と増加し、学習時間が多い層と少ない層の差が広がっています。
スマートフォンの影響
さらに、スマートフォンの使用時間も急増しており、中学生の80.2%が1時間以上スマートフォンを使用すると答え、高校生では41.4%が3時間以上使用するという結果が示されています。これにより、就寝時刻の後退が引き起こされていると考えられます。
休日の状況
休日になれば睡眠時間は改善されるものの、就寝時刻は遅くなる傾向があることも指摘されています。例えば、高校生においては休日に24時以降に就寝する割合が増加しますが、結果的に休日の睡眠時間は平日より長くなることが分かりました。
結論
今回の調査は、特に中高生の生活習慣における疲労感の現状を浮き彫りにした結果となりました。スマートフォンの長時間使用が睡眠時間の短縮を引き起こし、それが日常的な疲労を増加させている一因であることが確認されました。今後は、健康的な生活習慣を築くための取り組みが求められます。この調査結果が次世代の健康促進に寄与することを期待しています。