神保町の壁画が誕生した理由
東京都千代田区神保町に、都内最大級のミューラルアートが登場しました。この壁画は、株式会社OVER ALLsが住友商事の岩波神保町ビルの外壁に描いたもので、本棚の横で手を伸ばす子供とおじいさんの姿を描いています。その大きさは、なんと高さ46m、幅7.5m。制作には27日を要し、ペンキやスプレーが使用されました。
壁画制作の背景
壁画の誕生は、約3年前にさかのぼります。住友商事から寄せられた「神保町再開発プロジェクトについて話を聞いてほしい」という依頼がきっかけです。岩波神保町ビルは長年、地域に親しまれてきた象徴的な存在であり、文化と芸術の交流の場としても知られていました。そのため、再開発には住民の想いを如何に残すかという問いが生じました。
地域との対話から生まれた壁画
OVER ALLsは、地域の人々や古書店連盟と意見交換を重ね、その中から壁画を描くことが決定しました。神保町は古書店だけでなく、人々が集まる“文化の交差点”でもあり、地域の歴史や想いを未来に繋ぐことが重要です。壁画を通じて、街の記憶と共に生き続けるアートが意義深いとの考えが生まれました。
壁画の表現と込められた想い
壁画には、子供とおじいさんの関係性が象徴的に描かれています。見る者それぞれが異なる解釈をすることができるため、世代を超えた繋がりや、過去から現代へのメッセージが浮かび上がります。私たちが壁画を通じて目指したのは、ただのアートではなく、神保町の記憶と未来を繋ぐ「バトン」となることです。
地元の反響と期待
地元の声も好意的です。一神町会の三橋会長は、「神保町を歩くときには、ぜひ上を向いてほしい」と語り、壁画の存在が街を新たに彩ったとしみじみと述べました。高山本店の髙山氏も、神保町の未来への期待とともに、知識に対するリスペクトが感じられる場所であってほしいと願っています。
OVER ALLsについて
OVER ALLsは、様々な地域でミューラルアートを制作している企業で、その目的は「ミューラルの力で人々を表現者に変える」というものです。代表の赤澤岳人は、自らの体験を通じて「夢や希望」といった感情を取り戻す重要性を痛感し、それをアートで表現することを使命としています。代表作には大谷選手とダルビッシュ選手の壁画や、震災後のFUTABA Art Districtなど、地域の歴史や物語を大切にした作品群が含まれています。
今後も、地域に息づく文化と歴史を壁画を通じて未来に継承していく過程が楽しみです。新たな壁画を観に、神保町を訪れてみる価値は十分でしょう。