多田神社の350年の唐椿、見頃を迎える
兵庫県川西市に位置する多田神社の境内で、樹齢350年を超える唐椿が今、見事な花を咲かせています。毎年3月下旬から4月中旬までのこの時期、神社の境内では100輪を超える花が鮮やかに咲き誇り、多くの訪問者を魅了しています。
唐椿は中国・雲南地方の亜熱帯を原産とし、特に日本の気候でも生育しやすいことから、優雅な景観を市民に提供してくれています。この唐椿は、多田神社の拝殿横に立っており、高さおよそ7メートル、直径10センチほどの淡い紅色の花々が揺れる様子は、春の訪れを感じさせます。宮司の齋木竜也さん(60歳)は、「今年の開花は少し遅れましたが、色とりどりの椿が春の楽しみを届けてくれています」と語ります。
多田神社は970年に創建され、その歴史は長いものです。創建時の神社は清和源氏の祖、源満仲公によって設立されて以来、源氏の発祥地として信仰を集め続けてきました。そして、この唐椿は江戸時代の寛文年間に、多田院の檀家であった薩摩藩主・島津家から奉納されたと伝えられています。
神社の境内は約16,000坪という広大さを誇り、120種類以上の200本以上の椿が点在していますが、その中でもこの唐椿は際立った存在感を持っています。訪れる人々は、唐椿の美しさを楽しみながら、春を満喫できます。
多田神社の宮司である齋木さんは、訪問者に「春の一日を境内で過ごして、椿の美しさをぜひ堪能してください」と呼びかけています。境内は静かな雰囲気で、自然と調和したこの場所は、リラックスするには最適です。
また、多田神社は重要文化財にも指定されており、その歴史的背景も魅力の一つです。源氏の五公を祀っているため、源氏の歴史を知ることができるスポットでもあります。徳川家綱による再興から、今の社殿へと至るまで、様々な歴史が刻まれています。
ぜひ、桜が咲き誇る春の訪れと共に、多田神社の唐椿を目にしに訪れてみてはいかがでしょうか。日本の美と歴史が融合したこの場所で、特別なひとときを過ごすことができるでしょう。