吃音を克服した桜井みいこの挑戦
2025年5月28日、合同出版株式会社から新たに登場するコミックエッセイ『きつおん克服! 保育士めざして見つけたこと。』。著者の桜井みいこさんは、自身の吃音を抱えながらも、保育士を目指す姿を描いています。この作品では、彼女がどのように困難を乗り越えてきたのか、その軌跡が描かれています。
桜井さんは、幼少期から吃音に悩み、思うように話せない瞬間が多くありました。幼稚園生から小学生の時期、その言葉を引き出す苦しさはまさに地獄のようでした。周囲の人々と同じように言葉を話したいと願っていた彼女ですが、失敗や成功を繰り返しながら、少しずつ自分を受け入れることができるようになったのです。
彼女の物語は、多くの人々が共感できる内容が盛り込まれています。コミックエッセイの中で描かれる第1章「きつおんは突然に幼稚園生〜小学生」では、言葉をうまく話せなくとも、どうにかしてコミュニケーションを図ろうとした彼女の努力が描かれています。特に、彼女が“ふつうの人”でありたいと願う気持ちや、平気に話せる場面と苦手な場面を振り返ることで、同じような悩みを抱える読者に勇気を与えることでしょう。
次の章「いつもギリギリで生きていた中学生」では、彼女が中学時代に直面したさらなる困難が描かれます。自己嫌悪や他人と自分を比べることの苦しさ、初めて相談した経験など、思春期ならではの葛藤が生々しく表現されています。桜井さんの真摯な言葉は、ただのストーリーではなく、同じ状況にいる人々に対する温かいメッセージとなっています。
また、第3章「開ける視界高校生」では、自身の選択によって新しい道が開かれた過程を詳しく紹介されています。保育士を志した理由、そして新たな出会いが彼女の人生にどのように影響を与えたのかが語られ、成長する背中を見せてくれます。
最も印象的なのは、専門学校生として迎えた第4章「人生のターニングポイント」です。この章では初めての実習を経験し、言いたい言葉が言えない恐怖を克服する瞬間が描写されています。彼女が実際に体験した教育実習や、授業での読み聞かせの練習によって、意識が変わり全てが変わっていく様子は、多くの読者にとって心に響くメッセージとなるでしょう。
『きつおん克服!』は、吃音を持つ人々への思いや、挑戦を続ける大切さを伝える一冊です。夢を追う中で得た気づきや成長の過程が、マンガ形式でわかりやすく描かれています。この本を通じて、同じ悩みを抱える人々が少しでも勇気をもらえたら嬉しいです。
著者の桜井みいこさんは、現在幼児教育関連の企業でイラストレーターとしても活躍中です。彼女の経験や思いは、今後も多くの人々に影響を与えることでしょう。コミックエッセイとしての魅力だけでなく、読み進めることで得られるメッセージにも注目です。
『きつおん克服!』は、全国の書店およびオンライン書店で手に入れることができます。自身の物語が他の誰かに重なる瞬間を見逃さず、ぜひ手に取ってそのメッセージを受け取ってみてください。