写真家・蓮井幹生の新作展「十七の海の肖像」開催のお知らせ

蓮井幹生の個展「十七の海の肖像」開催

東京都港区のYUGEN Galleryでは、写真家の蓮井幹生による個展「十七の海の肖像」が2025年6月7日から6月23日まで開催されます。この展覧会では、蓮井が日本国内の17の原子力発電所の周辺に広がる海の風景をテーマにした作品を展示します。

私たちの日常の背景には、原発という存在があり、それを見つめることは容易ではありません。今回の展覧会は、そういった難しいテーマを従来の枠に捉われず、アーティスト自らの視点で表現したものです。蓮井は1990年代の初頭から「自然の摂理」をテーマに、世界中の風景や自然を撮影してきましたが、今展では、その集大成とも言える作品が披露されることになります。

蓮井幹生のアプローチ

蓮井は特に、こちらの展覧会で海の映像に注意を向けています。彼はこの海に人工物が写らないよう、画像処理を施し、静かな風景だけを残しています。これは、海本来の姿に耳を傾け、それを人々に届ける試みです。入場料は無料となっており、気軽に立ち寄れる環境が整えられています。

蓮井はすでに青森県大間原発を除く、全国の原発に足を運び、その周囲の海の風景を撮影しました。それは日本の美しさだけでなく、文明との関係も映し出しています。彼が捉えたのは、実際の人々の姿が無い、自然そのものが持つ静けさです。

作家について

蓮井幹生は1955年に東京都で生まれ、父親の影響で写真を始めました。社会学を学んだ後、アートディレクションの道に進み、30歳から独学で写真を学び始めました。以来、彼はファッションやドキュメンタリーといった多様な分野で活動を展開し続けています。彼の作品は、フランス国立図書館や東京工芸大学のギャラリーにも収蔵されるなど、その評価は国内外に広がっています。

展覧会の詳細

本展はYUGEN Galleryにて、2025年6月7日から23日までの間開催されます。特に、ギャラリートークのイベントも予定されており、蓮井自身が作品の背景や制作プロセスを語る機会も設けられています。日程は、6月の8日、14日、15日、21日、22日に予定されています。

また、本展に合わせてYUGEN Galleryの公式オンラインストアでも、蓮井の作品を閲覧・購入できる機会が設けられています。興味を持っている方は、ぜひ訪れてみてください。

このような展覧会を通じて、人々が自然の美しさや、我々が暮らす環境について考える機会が増えることを期待します。海とそれを取り巻く文明を見つめる蓮井幹生の新作展、見逃せません。