葛飾区の町工場が受賞！東京ビジネスデザインアワード最優秀賞

2023年2月9日、東京都が主催する「東京ビジネスデザインアワード」の2022年度の受賞者が発表されました。このコンペティションは、中小企業の持つ独自の技術や素材をテーマにデザイナーからの提案を募り、その結果、新たな製品やサービスの実現を目指すものです。

葛飾区の町工場である有限会社ケイ・ピー・ディが、最優秀賞を受賞しました。今回の受賞テーマは「プリント基板の新しい使い方を提案するサウンドプロダクト」です。企業の技術である「半田付け不要の基板ジョイント導通技術」を基に、田村匡將氏を中心とするチームデデデがこの革新を実現しました。

この製品は、半田を使わずに基板同士を結合し、電気を通す仕組みです。特に、歯車のように噛み合う形状が特徴的で、接触すると音を鳴らすという独自性を持っています。「偶発的な音楽との遭遇」をテーマにしており、周囲の音を組み合わせて新たな楽しみを提供することが特徴です。

審査員からは、「課題解決の難易度とプロダクトの完成度、短い期間での実現力と新規性が評価された」とのコメントがありました。今までにない遊びの可能性を提案し、新たなカルチャーが生まれる可能性を秘めたプロダクトです。

受賞後、同社の代表である加藤木一明氏は、「これからがスタート。基板の発展と業界への貢献に向けて努力していく」と抱負を述べました。試作品は2023年2月16日・17日、東京国際フォーラムで行われる「第9回町工場見本市2023」に展示される予定です。

有限会社ケイ・ピー・ディは、小型基板の設計・製造に特化した企業であり、東京理科大学葛飾キャンパスに研究室を構え、産学連携や共同研究にも力を入れています。