アストンマーティンValkyrie、IMSAで新たな歴史を刻む
2025年3月16日、アストンマーティンの最新型ハイパーカー"Valkyrie"が、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権において記念すべきデビューを飾りました。この競技に参戦した最初の「ル・マン・ハイパーカー」として、Valkyrieはモービル1セブリング12時間レースで9位フィニッシュを果たし、初ポイントを獲得しました。
この歴史的な瞬間は、アストンマーティンTHORチームに所属するロス・ガン(英国)、ロマン・デ・アンジェリス(カナダ)、アレックス・リベラス(スペイン)の合計3人のドライバーによってもたらされました。セブリングサーキットは、その過酷さで知られ、耐久レースの舞台として数多くの挑戦を呼び起こすことで有名です。Valkyrieは予選12位というスタートから、レースの途中で最高6位まで上昇する力強さを見せつけました。
アストンマーティンが自らの技術力とクルマのポテンシャルを証明した今回のレース。Valkyrieは、商用モデルの走行を基にした唯一のGTPクラス参加車両として、デビュー早々に素晴らしいパフォーマンスを発揮しました。そのクラスでのポイント獲得は、2回目のレース出場で達成されたものであり、開発エンジニアリングの成果を色濃く反映しています。
耐久レースに挑むValkyrieは、「オリジナルの公道仕様をベースにした最初の競技用モデル」としても注目を集めています。そのパフォーマンスの根源となるのは、6.5リッターV12エンジンで、最高出力はレギュレーションに従い制限されていますが、やはり驚異的な運動性能を誇ります。アストンマーティン耐久モータースポーツ責任者のアダム・カーター氏は、チーム全員の努力が実を結んだと喜びを語り、今後の改善の余地があるものの、さらなるデータ収集と分析によって改善が可能であることを示唆しました。
■ ドライバーの声
レースに参加したドライバーたちもそれぞれの思いを語っています。ロス・ガンは、「全員が素晴らしい仕事をしてくれた。ここで得た経験を次に活かしたい」と述べ、チームワークの重要性を強調しました。また、ロマン・デ・アンジェリスは、当初は難しさも感じたものの、次第に自信を持てるようになったと述べ、チームとの結束の大切さを語りました。
アレックス・リベラスは特に喜びを隠せない様子で、「新しい車両での挑戦だったが、完走できたことに感謝している。非常に素晴らしい結果だ」と感想を述べています。遊び心を加えたValkyrieのパフォーマンスは、チームの次なる目標であるロングビーチでさらに磨かれ、さらなる成果を目指します。
今後の展望
アストンマーティンValkyrieは、今後もIMSAとFIA世界耐久選手権(WEC)の両方に出場する唯一のハイパーカーとして、その活躍が期待されます。2025年には、より多様な戦略と技術でクラス内でのさらなる上昇を狙うでしょう。次のレースは、4月11日と12日にロングビーチで開催される予定で、多くのファンがその結果に注目しています。アストンマーティンというブランドの歴史にとっても重要な一年となること間違いなしです。