シニア向け完全栄養食ブランドが資金調達を実施
新潟市に本社を置く株式会社LacuSは、シニア向けの完全栄養食ブランド「Me TIME FOODS」を展開しており、最近プレシリーズAラウンドで1億円を超える資金調達を実施しました。この資金調達は、従来の食事に障害を持つ高齢者をサポートし、喜んで食事を楽しめる社会を実現するための第一歩となります。
高齢化社会の現実
日本では急速に進む高齢化によって、多くの人々が食事の質を損なわざるを得ない状況に直面しています。特に、摂食や嚥下が困難な高齢者においては、健康的な食生活を維持することが難しくなっており、彼らの食体験は非常に低く抑えられています。このような現状には強い問題意識があり、LacuSはこれを「Me TIME FOODS」というブランドで解決しようとしています。
独自の製品「Me ICE」の登場
2023年3月、LacuSはシニア向けの完全栄養食「Me ICE」を市場に投入しました。これは、嗜好性を重視しつつも、集中的な栄養バランスを考慮したアイスクリームタイプの製品です。「Me ICE」はすでに新潟県内の介護福祉事業所や調剤薬局で導入されており、Amazonではカテゴリ別の売れ筋ランキング1位を獲得するなど、人気を博しています。このアイスクリームの開発には嚥下障害を持つ高齢者への配慮がなされており、美味しさと栄養価が両立しています。
資金調達の目的
今回の資金調達は、LacuSの製品開発や物流の強化を目的としています。「Me ICE」の成功を受けて、さらなるSKU拡大や新潟市にハイブリッド工場を設置する計画も進行中です。また、自社ECサイトやモール型ECの強化も目指し、CXO候補や専門職人材の採用を行う意向です。
変革を目指す社会
LacuSが目指しているのは、高齢者も自分の意志で食事を楽しめる社会です。超高齢社会を迎えた日本では、食事が摂取できない高齢者が流動食や経管栄養に頼らざるを得ない状況が続いていますが、同社はフードテックの力を借りて「食の楽しさ」を提供し、食体験を整えています。
代表者の思い
株式会社LacuSの代表取締役、古津瑛陸氏は「この事業は私の曽祖母の体験から生まれたものです。最後まで食を楽しむことができる社会を実現したい」と語っており、その思いは製品開発にも反映されています。この情熱は、多様な投資家たちからも共感を得ているようで、「LacuSは高齢者食に新たな風を吹き込むことができる」と期待の声が寄せられています。
今後の展望
法人の成長とともに、LacuSはこれからもシニア向けの食を通じて高齢者の生活の質を向上させ、より良い社会を目指していく所存です。この挑戦は、今後も幅広く、多様な方々に支持されていくことでしょう。これからも目が離せない企業であり、期待が高まります。