ファージセラピーによる新たな感染症治療
犬や猫が直面している感染症の治療法が今、革新の時を迎えています。医療法人社団予防会は、犬猫に特化した感染症治療であるファージセラピーの実用化を目指して、資金を集めるためのクラウドファンディングをスタートしました。この研究は、新宿サテライトクリニックの院長である北岡先生が中心となり、早稲田大学との共同研究によって進められています。
ファージセラピーの魅力
ファージセラピーとは、細菌感染症を治療するための手法で、バクテリオファージというウイルスを利用して、特定の細菌を攻撃・死滅させます。この治療法は、1920年代には既に実用化されていたものの、抗生物質の発展のために廃れてしまっていました。しかし近年、抗生物質に耐性を持つ細菌が増加していることから、その重要性が再評価されています。
実際、工場や医療現場では既に何件かのファージセラピーの応用例が見られますが、日本では臨床試験が行われておらず、まだ道半ばです。そこで、現場を熟知した医師たちが十分な効果を持つファージセラピーの実用化に向けた研究を進めているのです。特に北岡先生は、これまでの感染症研究の実績を活かし、実際に感染症が流行する際の株に基づいたファージの開発に取り組んでいます。
壊滅的な犬猫の感染症の現状
北岡先生はハナ動物病院の太田先生との協力のもと、犬猫の感染症に対応すべくファージセラピーの実用化を進めています。犬の主要病原菌であるスタフィロコッカス・シュードインターメディウスのMRSP(耐性菌)は、恐ろしい速度で増加しています。この耐性菌が増えることにより、病院で使用する抗生物質が全く効果を示さないケースも増加しており、例えば皮膚の感染症である膿皮症は、その患者である犬にとって大きな苦痛をもたらしています。
このような状況の中でファージセラピーによって新しい治療の道が開かれることが期待されています。
未来への希望
現在、世界では薬剤耐性菌による感染症が深刻な状況になっており、2050年にはこの原因による死亡が最も多い死因になると予測されています。ヒトの性感染症においても、耐性菌の問題が拡大しています。ファージセラピーの開発が成功すれば、ヒトを含む多くの生物に対する感染症治療に新たな選択肢を提供し、未来の感染症のリスクを劇的に低下させることができるでしょう。
クラウドファンディングの実施
ファージセラピーは海外では既に研究が進んでいますが、日本でも同様の研究が進む必要があります。この新しい治療法の実現のために、現在クラウドファンディングが行われています。目標金額は150万円で、期間は2022年4月25日から6月17日まで。支援金は、犬猫の感染症に対するファージセラピーの研究に使用され、多くの動物たちの命を救う可能性を持っています。
支援を希望される方は、以下のリンクをぜひご覧ください。
クラウドファンディングページ
私たちの小さな支援が、未来の医療技術を支える一歩となることが期待されます。私たちとともに、犬猫たちの健康を守るための仲間になってください。