会計事務所の資金繰り支援
2023-04-25 10:00:02
コロナ禍の資金繰り支援、会計事務所の実態調査:ゼロゼロ融資返済問題と今後の課題
コロナ禍の資金繰り支援、会計事務所の実態調査:ゼロゼロ融資返済問題と今後の課題
2020年、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で経営悪化に悩む中小企業を支援するため、「コロナゼロゼロ融資」が開始されました。しかし、景気回復の遅れから、融資返済に苦しむ企業が少なくありません。その一方で、経営改善の相談窓口として会計事務所への期待が高まる中、現状の支援体制は十分と言えるのでしょうか?
ひょうご税理士法人が実施した会計事務所経営者303名への調査結果から、その実態と課題が見えてきました。
ゼロゼロ融資返済:相談件数の現状
調査によると、顧客企業の2~3割がゼロゼロ融資の返済に困っていると回答した会計事務所が最も多く、次いで4~5割という結果に。多くの会計事務所が、返済に悩む企業からの相談を受けている現状が明らかになりました。
会計事務所による資金繰り支援の現状
資金繰り相談への対応状況では、顧問先の4~5割、または2~3割に対応していると回答した事務所が最多でした。資金繰り表の作成は、対応する事務所が多いものの、その作成頻度は、毎月、2~3ヶ月に1度など、様々でした。
サービス内容では、「アドバイス・助言(顧問先で作成)」が6割以上を占め、会計事務所自身で資金繰り表を作成代行するケースも同程度。具体的な経営改善策の提案までは至っていない事務所が多いことが示唆されました。
資金繰り表作成の報酬については、「スポットで受けている」「毎月の顧問料とは別に受けている」と回答した会計事務所を合わせると7割以上にのぼり、資金繰り相談には別途料金が発生するケースが多いことがわかりました。
手厚い資金繰り支援ができない理由
手厚い資金繰り支援ができない理由として、「やる必要がない(過剰サービス)」「時間がかかる」が3割以上を占め、さらに「ノウハウ不足」「報酬化できない」といった課題も指摘されました。
しかし、資金繰り状況をタイムリーに把握できる会計ソフトとの連動システムがあれば活用したいと考える会計事務所は7割以上に上り、効率的な資金繰り支援ツールへのニーズの高さが浮き彫りになりました。
会計事務所の今後の展望:記帳代行と経営課題
電子帳簿保存法やインボイス制度の施行を踏まえ、今後の記帳代行業務の方針について尋ねたところ、「今後も記帳代行業務を中心に進めていきたい」が57.8%、「自計化の割合を増やしていきたい」が42.2%という結果に。
会計事務所の経営課題としては、「人手不足」が41.9%と最も多く、次いで「顧問先の減少」「法改正への対応」が挙げられました。人材確保や法改正への対応が、今後の会計事務所経営の大きな課題となっています。
まとめ:会計事務所の対応に差、今後の進化に期待
ゼロゼロ融資返済のピークが予想される中、会計事務所への相談増加が見込まれます。しかし、今回の調査で明らかになったように、資金繰り支援の対応には事務所間で大きな差があることがわかりました。
会計事務所の多くは税務申告業務や記帳代行は行っていますが、資金繰り支援は別途料金が発生したり、アドバイスや表の作成代行にとどまっているケースが多いのが現状です。
人手不足や法改正への対応といった課題を抱えながらも、資金繰り支援を強化し、顧客企業の経営改善に貢献していくことが、今後の会計事務所の進化に繋がるでしょう。
ひょうご税理士法人とHiGlee
今回の調査を実施したひょうご税理士法人は、資金会計連動システム「HiGlee」を開発しています。HiGleeは、試算表や決算報告書と資金繰り表を連動させ、データの一元管理を実現するシステムです。Excelでの手作業による負担を軽減し、タイムリーな資金繰り状況の把握を支援します。
ひょうご税理士法人は、税務顧問、月次試算表作成、資金繰り計画相談といった基本サービスに加え、経営全般にわたるアドバイスや指導も提供しています。中小企業の成長と安定に向け、未来会計に基づいた支援を行っています。
資金繰りや会計に関するお困りごとは、ひょうご税理士法人へ相談することをお勧めします。
会社情報
- 会社名
-
ひょうご税理士法人
- 住所
- 兵庫県尼崎市南塚口町2丁目6番27号
- 電話番号
-
06-6429-1301