2025年卒看護学生対象就職活動調査の結果
2025年に卒業予定の看護学生186名を対象にした就職活動に関する調査が行われ、その結果が発表されました。この調査は、過去10年以上にわたり継続されており、近年の就職活動における学生の意識を探る貴重な資料となっています。調査期間は2025年2月3日から3月4日までで、回答はWEBアンケート形式で収集されました。
コスパとタイパを意識する学生
今回の調査では、約6割の看護学生が就職活動においてコストパフォーマンス(コスパ)とタイムパフォーマンス(タイパ)を意識していることが明らかになりました。この傾向は近年特に顕著で、就職活動の厳しさを反映していると言えるでしょう。しかし、約4割の学生はこれらの意識を持たないとの結果もあり、これには驚きの声が上がっています。就活という新しい環境に対する意識の差が浮かび上がります。
移動費と時間を無駄と感じる学生
就職活動中に特に無駄だと感じるのが「交通費」と「移動時間」で、学生たちのストレスの要因としても挙げられています。コロナ禍を経て対面のイベントが復活しましたが、対面プログラムが本当に意味のあるものであるか疑問視する声も多く、オンラインで済むものはよしとされる意見も一部で広がっている様子です。加えて、具体的な場所に実際に赴くことが求められるため、遠方からの移動が学生にとって大きな負担となっています。
就活時に知りたかった病院の情報
看護学生が就活時に最も関心を寄せる病院の情報としては、「職場内の雰囲気」と「給与・ボーナス」が2年連続でトップに立ちながら、実際の業務の雰囲気や実情を探ろうとする姿勢が見えます。昨年よりも残業時間についての関心が薄れてきたのも特徴的で、実際の忙しさに関心が寄せられているのが現状です。
就職先の決め手
また、就職先を決定する際に最も重要とされるのが「実習・インターンシップでの現場体験」で、これは昨年のトップだった待遇に代わって首位につけました。身をもって体験した現場の状況が今後のキャリア選択に大きく影響することが浮き彫りになっています。
キャリアアップへの意識
調査結果では、多くの学生が入職後にキャリアアップを見据えて資格取得を検討していることも見受けられます。約65.3%の学生が「認定看護師」を目指している一方で、未検討の学生も微増しているとの結果が明らかになり、働き方や将来像が意識されていることが伺えます。
転職の可能性
就活終了時には、将来的に転職の可能性があると予測する学生が50%を超え、多くの学生が転職に対する意識を持っていることが確認されました。このことから、自身のキャリアに対する不安や期待が混在している様子がうかがえます。
理想の年収
最後に、30歳を迎えた際の理想的な年収については、400〜600万円を希望する声が62.4%に達し、看護職においても現実的な条件で年収を見据えている姿が浮かび上がりました。コロナ禍以降、看護職の重要性が再認識される中で、学生たちの将来に対する期待がどのように変化したのかを知る手がかりともなります。
まとめ
この調査結果は、看護学生がいかに現実的に就職活動を行い、将来を見据えているかを示すものです。これらのデータを元に、より良い環境での看護職の育成や、学生支援が求められるでしょう。
本件に関する詳細や関連情報は、文化放送キャリアパートナーズの「文化放送ナースナビ」編集部までお問い合わせください。