明治が開発した日本初の栄養プロファイリングシステムとは？

明治が実現した新しい栄養評価システム

日本で初めて、日本の食習慣を考慮した1食分の栄養価評価手法が登場しました。株式会社明治が開発した「明治栄養プロファイリングシステム（Meiji NPS）」は、生活者が日常的に摂取する量を踏まえ、個々のライフステージに応じた健康課題を解決することを目指しています。このシステムの成果は、国際的な学術誌Nutrientsに掲載され、大きな注目を集めています。

Meiji NPSの開発背景

伝統的な栄養プロファイリング手法では、食品の栄養価は基本的に100グラムあたりで評価されてきました。しかし、これは実際の食事においては、食材のサービングサイズを無視した評価となり、食事の実態が反映されないという問題がありました。これに対し、明治が開発したMeiji NPSは、1食あたりの摂取量に基づいた評価を行うことで、より柔軟で現実的な栄養評価が可能になります。

ライフステージに応じた対応

Meiji NPSは、成人（65歳未満）と高齢者（65歳以上）の2つのカテゴリーに分かれており、それぞれの健康課題に合わせた適切な栄養評価が行えるよう設計されています。成人向けのNPSでは、生活習慣病への対策や若年女性のやせ対策を重視しており、高齢者向けではフレイルの予防に焦点を当てています。このように、個々のニーズに応じた栄養価評価を実現しているのです。

栄養価値の評価基準

Meiji NPSでは、推奨される栄養成分や制限すべき成分、推奨される食素材に基づいてスコアが算出されます。具体的には、たんぱく質、食物繊維、カルシウム、ビタミンD、鉄などの栄養成分が含まれ、逆にエネルギーや飽和脂肪酸、糖類、食塩などは制限すべき成分として評価されます。これにより、日常的な食事の中でバランスの取れた栄養摂取が促進されることを狙っています。

実態に基づいた新しい評価方法

例えば、一般的に藻類やきのこ類は、従来の100グラム当たりの評価では高スコアとなることが多いですが、Meiji NPSではサービングサイズによる評価を行うことで、実際に摂取される量を考慮した結果、これらの食品のスコアが適正化されます。これは、「実際の食事」に則した評価を行うことができるMeiji NPSの大きな特長です。

これからの展望

明治は、Meiji NPSを通じて、より栄養価の高い食品の開発と改良を進めていく方針です。さらに、消費者に対しても有益な栄養情報を提供し、健康的な選択をサポートしていくことを目指します。私たちが普段の食生活で何をどれだけ摂るべきかを明確に示していくことで、より健康的なライフスタイルに貢献していく姿勢が求められています。

新しい栄養プロファイリングの手法が、今後の日本の食文化や健康に与える影響は計り知れません。明治は、このシステムを活用して、より良い食の未来創造に向けて邁進していくでしょう。