JFEテクノリサーチが次世代3次元X線顕微鏡を導入
JFEテクノリサーチ株式会社は、2026年に国内で初めて導入される米国のSigray社製、次世代3次元X線顕微鏡「Apex Hybrid-210TM」を活用した非破壊解析技術を確立しました。この新技術により、全固体電池や半導体パッケージの解析が実現され、8月より本格的な受託分析サービスが始まりました。
非破壊解析技術の必要性
最近の電池や電子デバイスの分野では、高性能・小型化・高容量化を追求する中で、材料やデバイスの3次元構造化と多層化が進展しています。この進化に伴い、切断せずに内部構造を観察できる非破壊解析技術の需要が高まっています。これまでの断面観察手法では、切断による前処理や、局所観察の限界、開発サイクルの長期化などの課題が顕在化していました。
特に、複雑な3次元・多層構造を持つ新素材の評価には、時間と労力がかかり、効率的な解析が求められていました。
Apex Hybrid-210TMの革新性
新しいApex Hybrid-210TMは、直交CTと斜めCT(ラミノグラフィ)という二つのイメージングモードを1台で実現したハイブリッド型の3次元X線顕微鏡です。この装置は、Sigray社の特許技術である精密角度制御ラミノグラフィを搭載し、大面積試料の高解像度かつ高コントラストな非破壊観察を可能にしています。
主な特長
- - 大面積試料の対応: 最大直径300mm、厚さ20mmの大きな試料も切らずに観察できます。
- - 業界最高水準の分解能: 高感度な検出器とナノフォーカスX線源により、空間分解能は0.40μmを実現し、微細な構造を鮮明に可視化します。
- - 高速化: 直交CTと斜めCTを併用することで、従来の手法に比べて内部構造の観察が10倍から100倍効率化されます。
解析事例
全固体電池の解析
JFEテクノリサーチは、硫化物系全固体電池の内部欠陥を非破壊で可視化することに成功しました。充放電時に生じたクラックを高分解能で確認でき、従来のリチウムイオン電池においても微細構造の可視化に成功しています。
電子デバイスの評価
市販のCPUを対象に、斜めCTを用いて内部の複雑な接合構造を明瞭に可視化しました。2μm以下の配線幅でもその構造を正確に捉えることが可能です。
活用シーンと期待される分野
本技術は全固体電池やグラフィックスボード、半導体パッケージなどにおいて、短時間かつ高精度な観察を非破壊で実現します。研究開発、品質保証、故障解析の各段階でのニーズに応えることが期待されています。
- - 研究開発: 材料の内部構造を最適化し、試料評価の迅速化を図ることができます。
- - 品質保証: 非破壊での全数検査や製品のばらつき原因分析に役立ちます。
- - 故障解析: クラックや剥離、接合不良の特定に寄与し、問題の根本原因を明らかにします。
今後の展望
JFEテクノリサーチは、解析データの高度化や他の評価手法との連携を進め、製造業における研究開発や製品開発の最適化に貢献していく方針です。詳細な情報は公式ウェブサイトにて確認することができます。
JFEテクノリサーチのウェブサイト
装置の詳細ページ
短時間での主題の大規模解析が可能になるこの技術は、製造業を革新する力を持っていると言えるでしょう。