子育て世帯における防災意識調査が示す現実と今後の備え
最近、日本生活協同組合連合会が実施した「子育て世帯の防災意識に関する調査」が公表され、子育てをする家庭が抱える防災の課題が浮き彫りになっています。この調査は全国の妊娠中から未就学児を育てる20~59歳の男女を対象に行われ、2024年に発生した能登半島地震や南海トラフ地震臨時情報を背景とし、家庭での防災備えが再評価されています。
調査結果によると、子育て世帯の65%が災害への備えを意識しているものの、「十分に意識し、備えている」と回答したのはわずか9.4%にとどまり、実際の準備状況は厳しい状況です。特に乳幼児を抱える家庭では、必需品であるミルクや離乳食、おむつが入手困難になる可能性が高く、あらかじめの備えが求められます。
調査の主要ポイント
1. 防災意識はあるが備えは不十分
調査結果では、災害への備えを意識している家庭は65.0%ですが、「十分に意識し、備えている」と回答したのはわずか9.4%。「意識はしているが備えが不十分」と回答した家庭が55.6%を占め、依然として多くの家庭が防災に対する準備に対し不安を抱えていることがわかります。この傾向は、特に末子を持つ女性に強く見受けられ、災害への備えの必要性を認識しつつも、実際の行動には繋がっていない現実があります。
2. 子ども用の備蓄の現状
調査によれば、子ども向けの防災備蓄が「できている」との回答は僅か22.6%でした。特に末子が1歳以上3歳未満の女性の回答率は13.4%と低く、全体の77.4%が十分な備えがないと感じています。大人用の防災セットに比べ、子ども用の備蓄が大幅に不足していることが指摘されています。入手が困難な非常時に備えて、特に日常的に必要な飲料水や食料品の備えが優先されている傾向が見えてきます。
3. 成長と共に防災準備の空白
子どもの成長に伴い、特に乳幼児向けの防災備蓄が減少しています。末子が3歳以上の女性の備え状況は18.1%に留まり、母親たちが具体的な防災準備を把握しづらくなることが影響しているようです。特に食料品や防災セットなど、家族全体に必要な品目が中心に準備されがちであり、ミルクや離乳食が卒業した後の防災意識の希薄化が懸念されています。
4. 今後の準備に対する意欲
子ども用防災用品を「今後そろえたい」と答えたのは73.7%と高い数字が出ています。特に末子1歳未満の女性においては「そろえたい」との意識が83.5%を占めており、子どもの年齢に合った防災用品へのニーズが感じられます。ただ、実際の備えとのギャップが依然として大きく、この問題への対策が急務となっています。
5. 日常の困りごとが防災の優先順位を下げる
調査の中で「助けがあったら良い」と感じる場面について尋ねたところ、21.3%が「災害・非常時の備え」を挙げており、一方で61.5%が「子どもの体調不良で動けないとき」を挙げています。日々の子育てに忙殺される中で、防災への意識が後回しになっている可能性があります。子育て世帯にとって、災害への備えの重要性を再認識することが求められています。
結論
この調査結果からは、子育て世帯が防災意識を強める必要性が鮮明になりました。特に乳幼児を持つ家庭においては、特有の備えが不足しているため、日常からの意識改革が求められています。子ども家庭庁が提唱する「はじめの100か月の育ちビジョン」に則り、子育て世帯のサポートが今後の社会において重要な課題となるでしょう。今後、日本生協連の「100か月CO・OP」といった取り組みが広まり、子育て支援と防災対策の両立が進むことが期待されます。