在原業平の生誕1200年を祝う特別展が開催される
2025年の秋、東京の南青山に位置する根津美術館では、在原業平の生誕1200年を記念して特別展「伊勢物語 −美術が映す王朝の恋とうた−」が11月1日から12月7日までの期間に開催されます。この展覧会は、業平が流した和歌とその背景にある美術の世界を紹介する貴重な機会です。
在原業平と「伊勢物語」の魅力
在原業平(825〜880)は、平安時代の貴族であり、歌人としても名高く、特に「古今和歌集」にもその名を刻む存在です。彼の生涯は恋多きものとして知られ、その豊かな感情が詠まれた和歌からは、時代の息吹を感じ取ることができます。業平の歌を集め、その物語を語る「伊勢物語」は、日本文学として非常に重要な位置を占めています。
「伊勢物語」は、業平の和歌を基にしながら、平安時代の人々の恋愛感情や生活様式を明らかにする短編物語集として、10世紀後半にかけて段階的に形成されてきました。さらに、この物語は、後の「源氏物語」にも影響を与え、日本の文化や芸術の様々な分野において、その重要性が際立つのです。
特別展の見どころ
展覧会では、「伊勢物語」をテーマにした書や絵画、工芸作品の数々が展示される予定です。展示室では、業平の名作をより深く理解できるための特別な視点が提供され、その中には初公開の業平像も含まれています。この像は、室町時代に遡るもので、業平が和歌を考える様子が描かれており、貴重な資料となっています。
展示の第1章では、古筆や古絵巻が取り上げられ、印刷技術が発達する前の物語の受けられ方を知ることができます。続いて、第2章では江戸時代に制作された挿絵入り版本により、「伊勢物語」がどのように広まったかを探ります。第3章では、「物語絵」と「歌絵」の関係性について深く掘り下げ、数多くの作品に込められた和歌の世界を紹介します。
関連催事
特別展に併せて、講演会やスライドレクチャーの開催も予定されています。特に、河田昌之氏による講演会「伊勢物語の美術を彩る業平の恋と歌」は、特別展の理解を一層深める良い機会です。また、特別催事として「能舞ー井筒」もあり、観世銕之丞さんによるパフォーマンスが披露されます。
特別展に訪れる観覧者は、根津美術館内の美術作品を見ながら、和歌打ちの歴史とその美術的表現を体験することができます。内容は幅広く、約60点にわたる作品が展示されるため、何度訪れても新たな発見があることでしょう。
まとめ
この特別展は、在原業平の業績と文化への影響を深く感じ取るための絶好のチャンスです。秋の長雨が続く中、心温まる美術世界を是非堪能してみてはいかがでしょうか。南青山の根津美術館で、美の深淵に触れる素晴らしい時間を楽しんでください。