2025年度グッドデザイン賞受賞施設のご紹介
日鉄エンジニアリング株式会社は、東京都板橋区にある「MFLP・LOGIFRONT 東京板橋」が2025年度「グッドデザイン賞」を受賞したことを発表しました。この受賞は、同施設が「街とのつながり」をテーマにした都市型物流施設であり、地域住民との共生を図るための多面的な機能を持つことへの評価です。今回は、この物流施設の魅力やその取り組みについてご紹介します。
物流施設の特長
「MFLP・LOGIFRONT 東京板橋」は、地域とのつながりを重視した設計が特徴です。その中心には3つの広場があり、近隣住民が日常的に利用できる憩いの場を提供しています。これらの広場は、「高台広場(あおぞら広場)」「わくわく広場」「はなの広場」と名付けられており、さらに河川沿いの遊歩道とつながっています。これにより、地域活動を支える新しい交流の場が生まれ、住民同士のつながりが活性化されることを目指しています。
地域防災への取り組み
近年の自然災害に対する防災意識は高まっています。この施設は、水害に強い安全な地域を実現するために、板橋区との官民連携による高台まちづくりを取り入れています。特に注目すべきは、施設内に1000人収容可能な緊急一時避難場所が設けられている点です。これにより、災害時には地域住民が安心して避難できる拠点として機能します。また、板橋区の災害時配送ステーションもこの施設に整備されており、迅速な支援物資の保管と配送が行える体制が整っています。
環境への配慮
「MFLP・LOGIFRONT 東京板橋」は、環境負荷を軽減するための取り組みにも力を入れています。外構緑化率の向上を通じてヒートアイランド現象の抑制を図るほか、ZEB(Net Zero Energy Building)認証も取得しています。さらに、施設の屋根には太陽光発電パネルを設置し、日中の施設電力需要の85%を自給できるようにしています。そして、余剰電力は地域の学校へ供給される仕組みが整えられており、地域全体のカーボンオフセットに寄与しています。
評価と今後の展望
グッドデザイン賞の審査委員会からは、地域住民に寄り添った防災機能が高く評価されました。「街づくりと物流施設」のコラボレーションは新たなビジョンを打ち出しており、これまでの施設にない価値を創出しています。今後も日鉄エンジニアリングは、環境に配慮しながら地域住民の安心と安全に貢献する施設づくりを推進していくとのことです。
施設概要
- - 所在地: 東京都板橋区舟渡四丁目3番1号
- - 敷地面積: 91,256㎡
- - 建築面積: 44,318㎡
- - 延床面積: 256,003㎡
- - 緑地面積: 14,430㎡
- - 広場面積: 6,240㎡
- - 太陽光発電: 4,363 kW(パネル容量)
- - 付帯施設: フットサルコート(ドローンフィールドを開放)
地域との共存と未来を見据えた「MFLP・LOGIFRONT 東京板橋」は、ただの物流施設の枠を超え、地域全体にポジティブな影響を与えることを目指しています。今後の動向にもぜひ注目したいところです。