NECが投入した「UNIVERGE IX-Rシリーズ」は、企業向けに設計された高性能かつ多機能を備えたルータ群です。この度、NECは新たにLTE機能を搭載したワイヤレスVPNルータ「UNIVERGE IX-R2610-4G」と、小型VPNルータ「UNIVERGE IX-R2510」を発表しました。これにより、同シリーズのラインアップが一層充実しました。
新商品の特長
近年、働き方の多様化やクラウド化の進展により、企業が必要とするVPNルータはワイヤレス化や小型化が急務となっています。テレワークや臨時の拠点開設が一般化する中、安易にWANに接続できるワイヤレスモデルの需要が高まっています。加えて、設置スペースが限られる環境では、小型のルータが求められています。
LTE内蔵ワイヤレスVPNルータ「IX-R2610-4G」
「IX-R2610-4G」は、固定回線を引かずに柔軟なネットワーク構築を可能にするLTE通信機能を内蔵しています。SIMカードを挿入するだけでモバイルネットワークに接続できるため、安全かつ信頼性の高い通信環境を提供し、企業のビジネスニーズに合わせた最適な解決策を提供します。このルータは、IP転送性能が2Gbps、VPN時の暗号化性能が1.8Gbpsであり、パフォーマンスにも優れています。
小型VPNルータ「IX-R2510」
一方、135(W)×196(D)×36(H)mmというコンパクトなサイズの「IX-R2510」は、1ギガビットイーサネットポートを5つ備えています。この中の4ポートはスイッチングハブとしても機能し、利便性を高めています。また、低消費電力設計や環境基準に即したRoHS指令への準拠も考慮されています。
ネットワーク管理における利便性
新たに提供される「マルチベンダ管理機能」は、NECのクラウド型統合管理サービス「NetMeister」との連携を強化します。この機能により、他社製のネットワーク機器を含む状況を一元管理し、異常の検出が容易になります。これにより、ユーザーは複雑なネットワーク管理を効率化できるでしょう。
さらに、「NetMeister Prime Plus」では、ネットワーク管理の生成AI利用が推進されており、NECの長年の知見を活かした高度なネットワーク運用の効率化を目指しています。
販売スケジュールと価格
新商品は2025年に販売が開始される予定です。具体的には、
IX-R2610-4Gの価格は183,000円で2025年6月25日から受注開始、30日から出荷が開始されます。
IX-R2510は113,000円で、2025年10月下旬から受注・出荷が開始される予定です。NECは、UNIVERGE IX-Rシリーズ全体で年間10万台の販売を目指しています。
展示会の情報
この新モデルは、東京ビッグサイトで開催される「Interop Tokyo 2025」にて展示される予定です。展示会では、実際の利用シーンを交えながら、これらの新製品の特長を体験することができます。
結論
NECのUNIVERGE IX-Rシリーズは、企業が求める柔軟なネットワーク構築を可能にし、特にテレワークや迅速な拠点設置に対応できる製品群となりました。いずれも高性能でありながら、環境への配慮も忘れない設計がされています。今後の展開や利活用に乞う期待です。