最近の化粧品業界において、EC(電子商取引)での購買行動は急激に変化しています。特にコロナ禍を経て、多くの女性たちがECを利用することが当たり前となり、その美意識が高まる一方で、新たな課題も浮上しています。ディーエムソリューションズ株式会社が行った調査では、20代から40代の女性500名を対象に、ECでの化粧品購入に関連する不安やサイトの使いやすさに関する実態を探りました。
スキンケアがECでの主要カテゴリー
調査によると、ECで最も多く購入される化粧品のカテゴリーはスキンケアです。その割合は76.2%に達し、ベースメイクやポイントメイクに比べて圧倒的な存在感を持っています。これは、自宅で情報を収集し、自分のペースで選ぶというEC特有のスタイルと非常に相性が良いとされています。特に、コロナ禍の「おうち時間」の増加が、スマートフォンを利用した情報収集から直接ECでの購入に流れを変えているようです。
購買時の不安と心理的ハードル
しかし、ECでの化粧品購入には「試せない不安」という構造的な課題があります。51.6%の調査参加者が、実店舗と違ってテスターが使えないことで不安を感じると回答しました。特にスキンケアでは、使用感やテクスチャーが重要視されるため、実際に商品を試せないことが購買意欲に影響を与えています。
口コミやレビューの信憑性がこの不安を和らげる要素として浮上し、多くのユーザーは他者の経験を重視しています。実際、58.1%の回答者が「多様な使用者による口コミ・レビュー」を重視していることが分かりました。これにより、UGC(User Generated Content)の重要性が増すことが示唆されています。
選択疲れとUI/UXの重要性
ECサイトの利点として豊富な商品選択肢がありますが、これには「選択疲れ」のリスクも伴います。63.0%の参加者が情報過多によって選択に疲れていると感じていることがわかりました。ユーザーは、情報が多すぎると感じるため、効率良く自分に最適な商品を見つけるための機能を求めています。
特に成分情報や製品比較機能、購入者レビューの要約などが重要視されており、UI/UXの改善は今後のEC運営にとって重要な課題です。具体的な情報をカスタマイズして提供することで、ユーザーの心を掴むことができるでしょう。
配送体験と改善点
また、購買後の配送体験も考慮する必要があります。29.8%のユーザーが梱包が過剰であることに不満を示しており、特に化粧品の場合は環境意識の高まりからも適正な梱包が求められています。ただ商品を届けるだけでなく、開封体験やゴミの処理など、全ての体験が評価に影響を及ぼすことを理解しなければなりません。
調査の意義と未来
ECでの化粧品に関する課題は、事業者にとって顧客の期待を超える重要な要素です。本調査結果をもとに、ユーザー体験を向上させるための新たな戦略が求められています。市場が変化し続ける中、顧客のリアルな声を把握し、業界の最新トレンドを追っていくことがビジネスの成長につながるでしょう。私たちウルロジも引き続き、EC事業者の活動を支援し、さらなる改善に向けて努力していきます。