医療革新AI「Heuron CTS」
2025-10-07 13:50:38

頭部CT画像解析AI「DoctorNET Heuron CTS」が国内認証を取得、医療現場を革新

医療現場の進化を支えるAI



2023年10月2日、株式会社ドクターネットは自社開発の頭部CT画像解析AIエンジン「DoctorNET Heuron CTS」について、日本国内での薬事認証を正式に取得しました。この技術は、医療機関における頭部CT画像の解析を自動化し、特に医師の勤務体系が多様化する現在、迅速な診断を可能にするものです。

製品紹介


「DoctorNET Heuron CTS」は、非造影の頭部CT画像から視覚情報を抽出し、脳内の高吸収領域と低吸収領域を解析するAIエンジンです。このシステムは、夜間や休日の緊急時において放射線科医が不在の状況でも迅速かつ的確な診断を支援するために設計されています。制約の多い医療現場において、特に救急外来での活用が期待されています。

主な機能


1. 高吸収域のセグメンテーション:CT画像内の高吸収域を自動的に分離し、その体積を計測します。
2. 低吸収域の強調:あらかじめ設定された10ヵ所の関心領域を解析し、低吸収傾向を示す部分も強調表示します。

このプロダクトは、2025年10月から「AI-RAD」サービスを通じて全国の医療機関に展開される予定です。新しいイノベーションを通じて、医療現場の効率化と医師の働き方改革に寄与することが期待されています。

現場のニーズに応える


脳卒中など迅速な対応が求められる疾病において、診断の遅れは致命的な結果を招く可能性があります。特に忙しい救急外来では、熟練した医師が待機していない状況が多々あり、AI技術を導入することで、医師が効率的に重要な情報を捉えることができるようになります。AIによる画像解析は、当直医にとっての頼もしいパートナーとなり、早期診断を実現します。

医療現場の構造的課題


現在の日本では、医師不足が深刻な問題となっています。放射線科医は特に地域によって偏在しており、全国の救急病院の中で常駐しているところはわずか13.4%に過ぎません。このような現実が、医療現場での迅速な診断を妨げている一因です。今回の「DoctorNET Heuron CTS」は、AIの活用によってこの課題に挑む一つの解決策として期待されています。

国際的な背景


日本はOECD諸国の中で放射線科医の数が最も少ない国の一つです。人口100万人あたり36人という放射線科医の数は、OECD平均に対して約3分の1です。そのため、日本では年間に多くのCTやMRIの検査件数をこなさなければならず、1人の医師の業務負荷は極めて高い状況に置かれています。

この状況を受け、厚生労働省もAI技術の活用を推進しており、医療体制の質を維持するための重要な手段として位置づけています。AIによる診療支援は、医療現場の効率化や労働環境の改善に寄与するでしょう。

今後の展望


ドクターネットは、今後もAI-RADを通じてさまざまな医用画像エンジンを提供し、医療の質を向上させる取り組みを継続していく見込みです。すでに国内の約1,500の医療機関と提携しており、心強いサポート体制を整えています。そして、この技術が医療現場に普及することで、医療提供者が直面する課題を根本から解決する一助となることが期待されます。

ドクターネットのこの取り組みにより、日本の医療におけるAIの活用が進み、さらなる効率化と質の向上が図られることでしょう。


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会社情報

会社名
株式会社ドクターネット
住所
港区芝大門2丁目5-5住友芝大門ビル8階
電話番号
03-3459-5665

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