相模原市のフィジオロガス・テクノロジーズが補助金採択、在宅透析装置の開発加速へ

フィジオロガス・テクノロジーズの新たな挑戦

神奈川県相模原市に本社を置くフィジオロガス・テクノロジーズ株式会社は、最近、相模原市の中小企業研究開発補助金に採択されたことを発表しました。この補助金を得ることで、同社は末期腎不全患者向けに設計された在宅血液透析装置の開発を迅速に進めることができます。

末期腎不全患者を支える新しい選択肢

日本には約34万人もの末期腎不全患者が存在し、彼らは通常、クリニックで血液透析を受けています。透析治療は時間がかかり、肉体的にも大きな負担となるため、患者の生活の質（QOL）に影響を与える要因と言われています。しかし、在宅での透析治療を受けることができれば、通院の煩わしさから解放され、より柔軟に生活スタイルを構築することが可能となります。

実際、在宅透析治療は頻繁に行えるため、患者のQOLを大幅に向上させることが知られていますが、日本ではまだほとんど普及していないのが現状です。その理由として、在宅専用の透析装置が存在しないため、患者はクリニックで使用される大型機械を自宅に持ち込まなければならず、その複雑さが障壁となっています。

フィジオロガス・テクノロジーズの取り組み

フィジオロガス・テクノロジーズは、北里大学発のスタートアップとして、在宅透析装置の開発を進めています。同社の代表取締役である宮脇一嘉氏は、「このプロジェクトを通じて、末期腎不全患者の方々が自宅でより快適に治療を受けることができる未来を実現したい」と語っています。

同社が開発している装置は、尿毒素を吸着除去し透析液を再循環させる仕組みを取り入れており、これにより小型で安全かつ使いやすい設計が実現されます。通院の必要がなくなり、透析を自宅で行えるようになることで患者の生命予後も期待されるほか、社会復帰や就業支援においても大きなインパクトが見込まれます。

相模原市の研究開発補助金の意義

相模原市では、中小企業の研究開発を支援するための補助金制度を設けています。この制度は、新製品や新技術の開発を促進し、経営環境を改善することを目的としています。フィジオロガス・テクノロジーズがこの補助金を得たことにより、同社の研究開発は加速し、今後の製品化に向けた期待が高まっています。

会社概要

フィジオロガス・テクノロジーズ株式会社は、テクノロジーを駆使して医療を革新することを目指し、2020年に設立された企業です。相模原市の北里大学内に拠点を持ち、在宅血液透析装置の開発を行っています。今後はこの装置の実用化を通じて、末期腎不全患者とその家族の生活をより豊かにすることに寄与していくことを目指しています。

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