台湾工研院がアジアを席巻する革新技術を発表
台湾の工業技術研究院(ITRI)は、経済部産業技術司の支援を受け、日本最大級の電子製造展示会「NEPCON JAPAN」に参画し、14件の先端技術を紹介しました。この展示にはEV向けの統合型パワートレイン技術や炭化ケイ素(SiC)はもちろん、台湾のEV分野における強力な研究開発能力が随所に見られました。
特に注目されたのが、「高出力密度・3-in-1 e アクスル(eAxle)」の発表です。これは台湾のスタートアップ企業「捷能動力科技」との共同開発によるもので、パワーデバイスからシステム全体が台湾製(MIT)で整えられています。このシステムはすでに第三者機関での試験に合格しており、高電圧と高出力を必要とするEVにおいて、台湾のSiC技術の実力と応用可能性をアピールしました。
炭化ケイ素(SiC)の優位性
工研院電子・光電システム研究所の所長、張世杰氏は、SiCの特長について「高効率や高耐熱性があり、小型で軽量であるため、世界中で広く利用されている」と述べています。システム内部のパワーモジュールやデバイスが台湾国内のファウンドリーで量産され、実用化が始まっていることからも、その競争力は確かなものです。
さらに、工研院は台湾の車載パワーモジュールメーカーに向けた信頼性評価や検証サービスを提供する『パワーモジュール信頼性テストラボ』を設立しました。これにより、製品の開発や量産化をサポートしています。
技術進化の未来
展示では、EVパワートレインに関連するさまざまな技術も披露されています。ITRIが開発した「EV充電用30kWデュアルアクティブブリッジコンバータ試作機」は、急速充電市場でのニーズに応えるべく、高効率な電力変換システムを実現しています。これにより、未来の交通インフラの構築をリードする革新的な技術が誕生することが期待されています。
また、「直流マイクログリッド向けパワー半導体ソリューションズ」として、AIデータセンターにおける省エネニーズに特化したトータルソリューションも紹介されました。このソリューションは、電力変換効率やシステムの柔軟性を格段に向上させています。
国際展開と産業化の重要性
従来の機械式リレーに比べ、信頼性を大幅に高めたこれらの技術は、システムのさらなる進化を促すものと考えられます。工研院は展示会を通じて、国際的な市場への進出を加速させ、台湾企業の競争力を強化する取り組みを継続しています。
NEPCON JAPANは、アジアの電子製造業界の最前線を直接体感できる貴重な機会です。昨年は10万人以上が来場し、半導体や車載電子技術に関連する世界的なサプライヤー、バイヤーが集まり、熱気に満ち溢れました。このような場でのアピールは、台湾の産業にとって計り知れない価値を持つでしょう。
今後もITRIの取り組みに注目し、台湾の電子技術の進化とそれがもたらす社会的影響を見守りたいと思います。新技術によって、私たちの生活がどう変わるのか、今から楽しみです。