札幌観光を変える生成AIチャットボットサービス
伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(略称CTC)は、北海道札幌市の一般社団法人札幌観光協会と提携し、観光やイベントに特化した生成AIチャットボットサービスを展開します。このサービスは、問い合わせに対して自動的に応答を行うもので、観光客の体験をより快適にすることを目的としています。
ニーズに応える新サービスの特徴
このチャットボットは、特に2025年9月から開催される「2025 さっぽろオータムフェスト」で利用される予定です。このイベントは、北海道の旬の食材や地元のグルメを楽しむ23日間の大型フェスティバルで、昨年は250万人以上の来場者を誇りました。CTCは、本サービスを通じて観光客の満足度向上を図りつつ、スタッフの業務効率を改善する目指します。
チャットボットは、イベントに関連する様々な情報を提供する能力を持ち、飲食店のメニューや位置情報、イベントプログラムなどを含む広範囲なデータをカバーします。利用者が入力した質問から関連情報を迅速に検索し、自然な対話形式で必要な情報を提供します。これにより、飲食店への導きがスムーズになり、イベント運営の効率も向上します。
利用者の声に応じたシステム改善
CTCは、2023年からこのサービスの実証実験を行い、利用者のフィードバックを基に改善を重ねてきました。特に、よくある質問や今後増えるであろう問い合わせパターンを分析し、学習データのチューニングを実施しました。その結果、2024年度には前年比でチャットボットの利用者数が67%、アクセス数が48%増加しました。これにより、より多くの利用者にとって便利な情報提供が可能になりました。
多言語対応で国際的な魅力を
このサービスは、訪日外国人にも配慮し、5か国語での対応を実現しています。日本語、英語、中国語(簡体字・繁体字)、韓国語の対応により、国内外の旅行者が快適に情報収集できるよう工夫されています。公式観光情報サイト「ようこそさっぽろ」との連携もあり、来場者はリアルタイムで観光スポットや宿泊情報にアクセス可能です。
最先端技術の導入
システム基盤には、Microsoftの生成AIサービス「Azure OpenAI Service」が使用されており、ナチュラル・ランゲージ・プロセッシング技術を活用して、情報の一貫性を保ちながら自動的にデータを生成します。また、Intumit社のAIチャットボット「SmartRobot」も取り入れ、業務特化型の対話設計を実現しています。
これにより、利用者への迅速かつ正確な応対が可能となり、質の高い情報提供が実現されるのです。
さらなる展望
今後もCTCは、観光市場のニーズに応じたFAQの最適化や情報提供の充実を図り、観光客の利便性向上に貢献していく方針です。札幌の魅力を最大限に引き出し、国際的な観光地としての地位を確立するためのサポートを強化していくでしょう。
このサービスにより、札幌を訪れる観光客は、より良い体験を享受できることになるでしょう。未来の札幌観光がどのように形作られていくのか、非常に楽しみです。