初開催!「ウアイヌコㇿ会議」で高校生が共生社会を議論
2025年1月11日(土)、北海道白老町にあるウポポイ(民族共生象徴空間)にて、初めての「ウアイヌコㇿ会議」が開かれる。この会議には、道内外の高校から選ばれた14校、78名の生徒たちが参加し、それぞれが持つ視点や経験を基に、「共生社会」について議論する。ウポポイはいわゆるアイヌ文化の復興と普及を目的としている場所であり、この会議はその理念を体現する重要な取り組みとなる。
1. ウアイヌコㇿ会議の背景と目的
この会議の名称「ウアイヌコㇿ」はアイヌ語で「尊敬し合う」という意味を持ち、多様な文化的背景を尊重し、そこから共生社会を築くという目標が込められている。ウポポイでの探究学習プログラムを受講した高校生たちは、企業の協力を得て、自らの視点から多様性について考え、意見を交換する。
提供されるプログラムは、アイヌ文化への理解を深めるためのもので、地域の歴史や社会的な文脈を学ぶ機会となっている。生徒たちは、道内および道外の高校生と共に、意見交換を通じてそれぞれの役割を明確にし、次世代の社会の在り方を模索する。
2. 参加者紹介
道内からは、遺愛女子中学校・高等学校、札幌日本大学中学校・高等学校など5校、道外からは、かえつ有明中・高等学校、武蔵野中学高等学校など9校が参加する。高校生たちは、相互交流を通じて、地域の魅力を広く発信することが期待されている。
特に、道外から参加する高校生たちは、アイヌ文化について知識を深め、多文化共生の考え方を学ぶことに対し強い意気込みを見せている。例えば、関西大学高等部の生徒たちは異なる文化を理解することの重要性を語り、岡山学芸館高等学校の生徒は経験から得られる新しい視点について期待を寄せている。
3. 日程とプログラム内容
この会議は、1月10日から1月12日までの三日間の日程で行われる。初日はウポポイでの探究学習プログラムが実施され、次の日にはウアイヌコㇿ会議が行われる。具体的な内容には、地域の高校生が考える共生社会以外に、他国の先住民族の事例研究、参加高校生と企業の協力を通じたアイデア出しセッションなどが含まれる。
4. 課題と期待
今回の会議は、参加者たちが共生社会実現のためのアイデアを考える契機となると同時に、実際にさまざまな文化に触れ合うことで得られる生の学びも大切にされる。ウポポイが持つ意義を高校生たち自身の言葉で伝えることで、それが彼らの自信や活動意欲につながることを願っている。
5. 視察と参加者募集
また、本会議には学校関係者や教育旅行関係者の視察も受け付けており、興味のある方は公式サイトなどから参加申し込みが可能となっている。この機会に共生社会のあり方についての理解を深め、多文化共生の実現に向けた新しい視点を得ることができるだろう。
参考リンク
ウポポイでの新たな試みが、未来の社会づくりに貢献することを期待したい。