国内のカード会社8社がフィッシングサイト閉鎖に向けた共同対策を始動

フィッシングサイト閉鎖の共同取り組み開始

最近、国内のカード会社8社、ACSiON、日本クレジットカード協会が新たにフィッシング被害防止のための共同プロジェクトを発表しました。2025年4月から始まるこの取り組みは、フィッシングサイトからクレジットカード情報を不正に取得されるのを未然に防ぐことを目指しています。

背景

クレジットカードの不正利用による被害は増加の一途をたどり、2024年の被害総額は555億円に達する見込みです。この金額の92.5%は、悪意のある第三者によるカード番号の盗用によるものです。これらの犯罪は、実際の企業やサービスを装った偽のメールやSMSを利用して、消費者をフィッシングサイトに誘導し、個人情報を盗み取る手口が一般化しています。

2024年には、フィッシングの報告件数が約170万件に上り、前年よりも約50万件の増加を示しています。フィッシングの対象は、金融機関だけでなく、ECサイトやさまざまな公共サービスにも広がっています。2024年6月には、政府による詐欺防止のための「国民を詐欺から守るための総合対策」が決定され、フィッシングサイトの迅速な閉鎖がその方策として強調されました。

国内の多くのカード会社は自社ブランドを悪用したフィッシングサイトを閉鎖する取り組みを行っていますが、不正利用の対象は他社フィッシングサイトにも及んでいます。そこで、国内の主要カード会社8社、ACSiON、日本クレジットカード協会が手を組み、フィッシングサイトの閉鎖に更に役立つ環境の整備を進めています。

具体的な取り組み

この新たな取り組みでは、以下の具体的な行動が提案されています。

フィッシングサイトの閉鎖を加速

ACSiONの知見と技術を活かし、フィッシングサイトを早期に検出し、集中的に閉鎖依頼を行います。これには、ブラウザの運営会社やインターネットサービスプロバイダーへの不正サイトの通報、無効ドメインの申請などが含まれます。

他社の呼びかけ

また、フィッシングサイトが特に多く報告されている企業や団体に向けて、自発的な閉鎖へ向けた要請やノウハウの提供を行い、協力体制を強化します。このような協力を通じて、クレジットカード不正利用被害の削減を狙いとしています。

まとめ

安全なクレジットカード利用を促進するために、どのようにしてフィッシングサイトから身を守ることができるのか、このプロジェクトは今後の指針となるでしょう。カード会社や協会が連携し、フィッシング被害を防ぐための具体的な行動を継続していくことが求められています。国民一人ひとりが、こうした取り組みに注目し、自らも警戒を怠らないことが肝要です。