伝統の上方落語と桂米團治師匠の魅力を探る特別な一日
2025年2月16日、国立文楽劇場にて「上方落語をきく会」が開催され、桂米團治師匠がトリをつとめることが決定した。この落語会は、1965年から続く長い歴史を持ち、上方落語の魅力を多くの人に伝えている。今回の会は、通算123回目を迎え、昼夜の2公演が放送される。近年、伝説的なイベントも数多く実施されてきたその名声は、ファンの間でも広く知れ渡っている。
桂米團治さん、落語界の重鎮を訪ねて
昼の部には、桂米團治氏をはじめ、笑福亭松喬や桂米紫、月亭方正など、名だたる噺家たちが出演。米團治氏は、昼の部のトリに立つ。最近では、故・桂米朝師匠の顕彰碑が大阪・住吉大社に建立されたことがニュースとなり、米團治氏もその一端を担った。
桂米團治氏は、インタビューに応じ、父である桂米朝師匠が生誕100年を迎えたことに対する思いを語る。米朝師匠の存命であれば、100歳になっていたというが、実際に10年前に亡くなったこともあり「本当にあっという間だ」と感慨深い面持ちを見せた。
住吉大社に建立された顕彰碑
米團治氏は、住吉大社の顕彰碑が建立された経緯についても説明した。仲間たちの支援を受け、彼らが住吉での落語会を継承してきたこと、またそれに大きく関わったことで誕生したという。碑には、「一期一会」ということで米朝師匠が書いた言葉が彫られている。彼の足跡が形になり、後世へのメッセージとなっていることが、展示の中で感じ取れるだろう。
兵庫・尼崎での回顧展も見逃せない
また、尼崎市では「桂米朝 噺家の姿」という展覧会が行われている。これは生誕100年と没後10年を記念するもので、米朝師匠の直筆の資料や貴重な品々が数多く展示されている。その展示は、彼がいかに落語界の重鎮として活動してきたかを知る良い機会である。入場無料で、様々な写真や資料が来場者を迎える。
桂米團治の挑戦と楽しい落語
米團治氏は、今回の「上方落語をきく会」で「猫の忠信」を演じる可能性が高いという。このネタは、故・米朝師匠が非常に大切にし、弟子たちにも教えてきた作品である。猫の可愛らしい姿と、落語特有のユーモアが融合したこの噺は、観客に笑いを提供すること間違いなしだ。
「猫の忠信」について米團治氏は、自身が演じた際に盛り上がったX(旧Twitter)での反響を取り上げ、「見てくれた人たちの期待に応えられるよう頑張ります」と力強く語った。歌舞伎を知らない人でも楽しめるように、落語独自の魅力を感じてもらえるように工夫する。
結語
「第123回ABCラジオ 上方落語をきく会」の開催が迫る中、桂米團治師匠の魅力と彼が受け継ぐ伝統について深い話を聞くことができた。この機会を逃さずに、ファンはもちろん、落語に馴染みのない方でも一度足を運んでみてはいかがだろうか。生放送も実施されるため、会場に行けない方も、ラジオを通してその空気を感じてみてほしい。