障がい児育児におけるトイレの悩みとは
近年、障がい児育児の中で『トイレの悩み』が重要なテーマになってきています。株式会社NEWSTAが展開する『ファミケア』は、障がいを持つ子どもたちの生活をより楽しくすることを目的としており、排尿予測デバイスを開発するDFreeと協力して、実際の悩みを探る調査を行いました。
調査の概要
2024年の5月、206の家庭を対象とした調査を実施し、その結果を分析しました。回答者の66.5%は男の子を育てており、平均年齢は約7歳でした。疾患の内訳は、神経発達症群(発達障害)が27.7%、その疑いが16.5%、ダウン症が10.7%など多岐にわたりました。障がいを有する子どもたちの中で、87%は知的障害や発達障害を抱えていることも明らかになっています。
トイレに関する困りごとの実態
調査結果によると、障がい児のトイレに関する大きな悩みは「トイレに行きたい気持ちを伝えられない」という点が最も多く(33.7%)、次いで「トイレの理解が不足している」(22.3%)が続きました。このような困りごとへの対応策として、68%の家庭が『定期的にトイレに連れて行く』ことを実施し、54%は『トイレについて話し合う』と答えました。
調査の自由記述欄には、『トイレを楽しい場所にするために慣らす』や『トイレで上手にできたら褒める』といった工夫が寄せられ、各家庭の工夫が見えてきました。
親のストレスとサポート状況
また、親が感じるトイレサポートに関するストレスの平均スコアは6.2ポイントでした。このストレスの主な原因は『子どもが尿意を伝えられない』(67%)というものと、『トイレへの移動やタイミングが合わない』(45%)という2つの側面が挙げられました。特に知的・発達障害の子どもたちは尿意が伝わらないことがストレス要因になっており、理解と行動の乖離が親子間での問題となっていることが示唆されました。
一方で身体障害児の場合は、『移動や介助の物理的なタイミング』がストレスの主因であり、全体的なストレスは比較的少ない傾向にありました。
さらに、トイレトレーニングやサポートが未実施の家庭は70%以上に達し、親たちが実施へのハードルを感じている様子が見て取れます。調査からは、トイレトレーニングを通して親子のコミュニケーションや理解が深まることも重要であると分かりました。
調査の目的と今後の方向性
本調査の狙いは、障がいがある子どもとその家族が具体的にどのような排尿の悩みを抱えているかを明確にすることでした。これを通じて、実際に役立つサポートの方向性や解決策を模索していければと考えています。ファミケアは、障がい児育児を少しでも楽にするための情報提供に努めており、今後もこのような調査を続けていく予定です。
結論
障がい児育児のトイレに関する悩みは、親にとって大きなストレスとなることが多いですが、具体的な事例を通じて支援方法を模索することが求められています。ファミケアは、障がい児の家族が抱えるさまざまな問題を解決し、楽しい生活を送りやすくするための活動を今後も続けていく所存です。詳細な調査結果については、ファミケアのサイトにて公開されていますので、ぜひご覧ください。
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