職場環境改善に向けた新しいアプローチ
近年、株式会社NEWONEが発表した調査報告書『職場のオバケ探し』により、組織の不文律や職場風土の重要性が再認識されています。2025年3月7日に公表されたこの報告書では、523名の会社員に対して、年代や職種別の不文律を分析しています。この調査のポイントに迫ってみましょう。
調査の概要
調査は2024年9月から2024年12月にかけて行われ、対象は10代から50代の会社員523名。使用された診断法は「職場のオバケ探し」という新たなツールです。このツールは、チームの中に潜む目に見えない課題を「オバケ」に例え、メンバー同士がそのオバケを見つけることで職場環境を改善する取り組みです。
職場のオバケ探しとは
「職場のオバケ探し」とは、組織に内在する課題を可視化するために設計されたツールで、12体のそれぞれ異なるキャラクターが存在します。メンバーは職場で見かけたオバケについて回答し、それに基づいてオバケを退治する方法を議論することで、チームの連携を深めることを目指します。この手法は、堅苦しくない雰囲気で職場改善に取り組むことができる点が特徴です。
調査結果の要点
調査によると、特に「個人プレイヤーオバケ」の出現率は約80%と非常に高い結果となっています。これは、リモートワークやハイブリッド勤務の普及により、業務が個人化している様子を反映しています。周囲に頼ることが難しい状況が多く見られ、その背後には忙しい職場環境がクリティカルな要因としてあると考えられています。
一方、「職場内二極化オバケ」の出現は約50%で、意見が対立するケースが少ないことが示されています。これは、多様な価値観が職場の中で共存している可能性を示唆しており、職場における属性の多様化が進んでいることが考えられます。
マンネリからの脱却
調査では「マンネリ満足オバケ」が「上意下達オバケ」と相関しやすいという結果も得られました。これは、ワークフローが整備され型通りの行動で成果を出している文化が根付いていることを意味します。このような状態では、変化を求めることが難しく、従業員が停滞感を覚える要因になっています。
世代間の違い
さらに、20歳から24歳の若年層は「職場のオバケ」を見つける割合が最も低いことも興味深い点です。これは、職場内の他者との接点が限られ、客観的な視点を持ちづらいためと考えられます。そのため、企業はこの世代に柔軟性をもたらし、コミュニケーションを強化する施策が求められます。
職種別の特徴
調査の結果、専門職では「曖昧キャリアオバケ」が多く確認されています。専門性が高くなることで、キャリアの選択肢が狭まり、将来に対する不安が影響していると考えられています。営業職では「個人プレイヤーオバケ」が多く確認され、こちらはキャリアの流動性が高いことを示しています。
まとめ
この調査結果は、企業が組織の不文律を理解し、人事戦略を見直すための貴重な資料となるでしょう。株式会社NEWONEは、エンゲージメントの向上に寄与する取り組みを今後も進めていきます。変化を恐れず、柔軟な職場作りに向けた取り組みをぜひお読みください。